2012年のゴールデンウイークも今日で最後です。みなさんはどのように過ごされましたでしょうか。私の場合、今年はGW前からの出張とあわせて連続11日間の長期にわたって家を留守にするというものになりました。本当は今日を含めて12日間だったんですが、さすがに疲れも出てきたし、月曜日からの仕事の準備もいろいろありましたんで、昨日の最後の新幹線で東京から京都に帰ってきて、今日は自宅でゆっくり過ごしております。
その2012年のGWの後半は毎年恒例のサイクリングツアーに行っておりました。TCCという妙なクラブが今から17年前の1995年にできておりまして、それ以降は基本的に1年間に1回GW期間中にメンバーでサイクリングツアーを開催してるんです。秋にも臨時で開催した年もありますので、今回で19回目のツアーになります。
TCCは何の略だと思われますかね。アホみたいな話ですが、実はTsutchy Cycling Clubの略なんです。もちろん「ツッチー」は私のニックネームです。写真はTCC発足2年目の1996年にメンバー全員で作成したユニフォームです。もうヨレヨレになってますが、今でも使ってます。
ここでTCC発足の経緯を書きます。大学時代の音楽サークルの同級生の友達の女の子のTIさんがマウンテンバイクを買ったんで、みんなでどっか走りに行くツアーを企画しましょかというのが最初ですわ。で、まず私とTIさんとで北海道4日間の旅行プランを考えて、そのプランに賛同して参加するメンバーを募集したんですわ。すると意外な形でメンバーが7名集まりました。
まずは私の友達のTIさんの高校の同級生の女の子YKさん。YKさんは東京の大手のメーカーに勤務してるんですが、その職場の先輩のFHさん(女性)が九州の大学時代に自転車部に所属してたこともあって参加いただくことに。さらにFHさんが、自分の大学の自転車部の同級生のKMさん(男性)と先輩のASさん(男性)に声をかけてくれました。メールや携帯電話がまだまだ普及してなかった時代ですが、彼らは当時みなさん首都圏に住んでましたので何とか連絡が取れたみたいです。そして最後にASさんが同じ職場の同僚のTSさん(男性)に声をかけてくれましてメンバーに入ってもらいました。
当時の私の直接の友達はTIさんだけだったんですが、妙なつながりで首都圏の5名の人と一緒に北海道4日間の自転車の旅に行くことになってしまったんですわ。
私はもちろん首都圏の5名と会ったこともなければ電話で話したこともありません。TIさんも高校の友達のYKさん以外の4名とは全くの初対面です。私もそれほど人見知りをしないタイプとは言え、多少不安になります。
そもそも私なんかは自転車については全くの素人ですからね。当時で1日平均でざっと60kmほど景色のいいところを走って、宿に着いたら温泉でも入って、おいしいお酒を飲んでおいしいもの食べて・・・っていうパターンをイメージしてました。自転車の乗ることももちろん楽しみであり目的なのですが、それよりもおいしいもの食べて飲んでということの方を楽しみや目的としては大きくて、「自転車に乗る」いうことをどっちかと言うとゆるーく考えとります。そやのに大学で体育会系の自転車部に所属してたというFHさん、KMさん、ASさん、さらに自転車部ではなかったけど何年も前から趣味で自転車に乗って横浜から箱根までしょっちゅう走りに行っているというTSさん、言うてみりゃ自転車に関してはプロみたいな人が7名のうち4名になるんですわ。それはそれで悪くはないんですが、「プロ」の走りに対して、自分やTIさんみたいな素人がついていけるのかどうかとか、あるいは走りに徹するばかりにおいしいもん食べたり飲んだり観光したりということを一切受け付けないような人々やったら嫌やなあと思うておりました。旅行先でその地域のおいしい地酒を飲むことが旅の楽しみでしたので、首都圏から参加の5名がお酒を飲まない人であることが何と言っても一番の不安です。
集合場所は北海道の支笏湖の国民休暇村。首都圏の5名は羽田空港で集合して新千歳空港に飛び、支笏湖まで走ってきます。一方、我々関西からの2人は素人ですからね、まず飛行機に自転車を乗せられるということを当時知りませんでした。そんなレベルです。フェリーなら乗せてくれるのを知ってますので、舞鶴からフェリーに乗って小樽へ、小樽から支笏湖まで自転車に乗って集合場所に行きました。
関西組2人が到着したのは集合時間ぎりぎりの17時すぎ。首都圏組は既にチェックインしてお部屋に入られてます。そこに我々が行きます。緊張のご対面ですわ。
「こんにちわー。はじめまして・・・」
って挨拶して部屋の中に入った瞬間に目にしたものは、テーブルの上に置かれたたくさんのお酒とおつまみですわ。とんでもない量が既に準備されてます。
「地元のお酒の千歳鶴をとりあえず3本買ったけど、これで足りますかなあ」
7人で3升。しかもうち4人は女の子やのに、この人らどんだけ飲むつもりなんやろって思いましたが、これをきっかけに今までの不安は全てきれいに解消ですわ。7人の心はあっという間に解け合いました。実は首都圏からの5人も同様に、我々が全くお酒を飲まない人たちだったらどうしようと、ずっと今まで不安に思っていたらしいです。
そんな出会いから始まった4日間の自転車ツアーは、たまたまメンバー7人の気も合ったんでしょうなあ、みなさん最高に楽しかったんですわ。それで参加できるできないは別として、毎年GWに自転車でどっか行くという企画を続けましょうということになり、ついては会の名前はどうしましょとなりますわ。みんな酔うてるもんですから適当です。最初にプラン考えたんが私なんでTCCでええんやないのんということになって、それ以来かれこれ17年もTCCが続いてるんです。
2回目からは、また友達が友達を誘う形で、一番多い時で13名くらい参加した年もありました。それぞれ仕事も違うし大学も違うし、また普段やってることも全然違う人が集まってくるのですわ。オーストラリア国籍の韓国人の大学生という面白いプロファイルの女の子が参加してくれた回もありました。17年間で1回でも参加いただいた人を「TCCファミリー」と呼んでますが、もう60人くらいになると思います。結婚したり、仕事が変わってGW休めなくなったり、単純に忙しくなったりで、ここ10年ほどは集まれるメンバーは平均で5名程度と極端に少なくなってますが、細々とでも誰かが続けていこうということで17年も続いております。
さて今年の参加者はとうとう3名になってしまいました。上記のTSさんと私。そして今回、私の会社の若いもん1人を誘いました。33歳独身男性のN君です。
4月30日、21時に韓国旅行から帰ってきた私はN君と23時45分に京都駅で待ち合わせです。臨時急行「きたぐに」の寝台車で新潟に向けて出発です。
寝台車に乗るのは生まれてはじめてですわ。車内はこんな感じです。
寝台車は3段の場合、上段、中段、下段とあるんですが、上段だけは1000円ほど安いんですわ。私の場合、上でごちゃごちゃされるのイヤでしたんで、あえて上段を選んだんですわ。そしたらこんな感じ。
いわゆる「網棚」の部分に無理やりベッドを作った感じ。屋根の部分に圧迫感があります。しかも夜に雨が降ったんでしょうかね。夜中に雨が屋根にたたく音がやかましいのやかましないの。全然寝られませんでしたわ。
今後寝台電車を使う方にアドバイスしますが、多少値段が高くても下段を選ぶべきですわ。1000円以上の価値はありまっせ。
新潟駅に着いて、在来線で村上駅まで行きます。TCC2012は村上駅からスタートです。
国道7号線を山形方面に走って、初日は鶴岡駅前に宿泊。ただN君は既にぐったりですわ。途中で「もう帰りたい」言うて何回も倒れこんでます。
2日目は鶴岡から最上川沿いを上る形で宮城県の鳴子温泉まで115kmを走ります。たいした上りではないのですが、この日は向かい風がむちゃくちゃ強いんですわ。
みなさんご存知かどうかわかりませんが、自転車にとって最大の敵は、登り坂でもなくて雨でもなくて、風なんですわ。空気の塊みたいなのがドンと飛んでくると自転車は吹っ飛ばされます。持続的なアゲンストの風はすごい体力を消耗するんです。やっぱりN君は「なにわ突撃隊」のへたれキャラのように、随所で倒れこんでます。
3日目は鳴子温泉から気仙沼まで行く予定でしたが、ひどい雨のために午後からはサイクリングを打ち切りまして、電車で気仙沼まで移動。4日目も気仙沼から石巻まで走る予定でしたが、午前中の雨がひどかったために途中駅まで電車に乗って移動しました。最終日はお天気にも恵まれまして、石巻から仙台まで走りました。
最終日は今回参加できなかったTCCメンバーと東京で飲み会がありますので、仙台からは新幹線で東京に移動しましたが、さすがGWですなあ。東北新幹線はパンパンですわ。指定席は満席なのは仕方ないですが、自由席が通勤電車みたいにぎゅうぎゅう詰めなんですわ。大きな自転車持った状態で2時間も窮屈な環境で立ちっぱなし。今回の旅行ではこれが一番疲れましたわ。
今回の東北ツアーの田舎の田園風景の部分のみ6分間のビデオクリップにしました。
http://www.youtube.com/watch?v=VxLnoBCHspw
被災地の様子については、今回自分の目で実際に見てみて感じたことがたくさんありますので、また明日以降に書いてみたいと思います。