今日からの4日間がTCC2013サイクリングツアーです。昨日まではスタート地点の新潟に集合するまでの話。私がたまたま集合場所に行く途中に野沢温泉に立ち寄ったというだけのことです。
メンバーのリクエストによって、スタート地点とゴール地点はそれぞれ新潟と仙台というように決まっていたのですが、途中をどのルートで行くかについては今年は私に任されておりました。TCCが発足した20年前は、計画前にいろんな情報を収集してました。距離やアップダウンはもちろんのこと、どの町にどんなおもしろそうなものがあるとか、この日にこんなイベントが開催されてるとか、当時はまだインターネットも発達してませんでしたから、全国の自治体の役所に電話をして、その町のパンフレットを送ってもらって、走行ルートを決めてたのを覚えてます。今でも役場にお願いしたらパンフレット送ってくれるんやろか。
でも最近では、ルート計画前にあんまり詳細な情報収集をすることが少なくなりました。メンバーのみんな、仕事や遊びでいろいろ行って、行ったことの都道府県が少なくなってて、「ここへ行きたい」ってこだわりがなくなってること。また歳をとって体力も衰えてきたのも理由かも知れません。走りたいところよりも走れるところを選ぶ傾向にありますので、1日の走行距離とアップダウンの程度だけが適切ならば、楽しく気持ちよく走って、ほどほどに疲れて、温泉に入って、おいしいものを食べて飲む。それで十分って感じです。
今回、私が提案したルートはこうです。
4月29日 夕方 新潟集合 宴会 4月30日 新潟→喜多方 計94km
5月1日 喜多方→米沢 計 55km
5月2日 米沢→天童 計60km
5月3日 天童→仙台 計 60km
団体で走りますので、何かのトラブルの発生を考えた場合に、1日の走行距離は70~80kmが適切やというのは、過去の経験からようわかってます。初日の94kmは平地とは言えちょっとがんばらないといけませんが、それ以外の日はいろいろ立ち寄って観光できるように少なめの設定です。また2日目の55kmには、国道121号線に高低差900mの厳しい峠越えが待っています。55kmくらいでちょうどええと考えたんです。
2日目と4日目の峠の高低差が若干心配なものの、まあこれでよかろうということになりましたんで、宿泊する旅館やホテルを全部私が手配しました。
インターネットで評価や口コミを調べて、喜多方、米沢、天童の各地で、安くてよさそうなところを予約したつもりでした。
そして出発直前。私が「重大な過ち」をおかしていることに気がついたんです。
宿泊予定のホテルを確認しますと、4月30日に喜多方に予約したつもりの旅館。実は猪苗代湖の近くにあったんです。喜多方と同じエリアにあったんでしょうな。思い込みでしょうか。お得な宿泊プランを重視するばかりに、所在地情報の確認を怠ったんです。
さらにもう1つの重大な勘違いも発覚。初日の94kmはどういうわけか平地だと思い込んでましたが、これ、よくよく検証すると、結構なアップダウンのある道やと気がついたんです。喜多方から猪苗代湖まえ30km以上。初日、すなわち4月30日のルート、平坦94kmのつもりがアップダウンありの130kmになってしまったのです。これって野沢温泉から新潟までの150kmとはわけが違います。絶対に走れないとはいいませんが、かなりつらいものがあります。しかも翌日の米沢まで峠越えの55kmも85kmに増えるんですから。
いうても遊びの旅ですので、こんなことに命かけてる場合やありません。安全第一、ゼロ災がモットーのTCCです。何とか安全に快適に行く方法を考えます。昨日の夜は、新潟の古町での飲み会の場で協議しました。
話は脱線しますが、新潟の海の幸、最高でしたね。宴会の料理の写真を2枚だけアップ。
あとね。この店を出てからの話ですが、2軒目に行こうとうろうろしてると、こんなおねえさんに声をかけられたんです。
台車に入れてあるのはラーメンです。これを売って歩いてるんです。こんなビジネススタイルは関西で首都圏でも見たことがありません。飲んだ後の客がコレを買って自宅で自分で作って食べるんやろか。6食入って1050円と決して高くはありません。
我々は旅人なんで、ここでラーメンを作って食べさせてくれるんやったら注文してもええけど、お持ち帰りは荷物になるだけ。いろいろ話をして盛り上がりましたが、結局買いませんでした。すいません。
さて、話はもとに戻ります。重大の過ちに対する対策は、この宴会の前に早々に決着しました。考えられる選択肢は4つ。
①がんばって走る。(130km/85km)
②当初の予定通り喜多方まで走り、自転車は喜多方に放置してJRで猪苗代の宿まで往復する。(94km/55km)
③初日に喜多方まで走り、そこから輪行する。(94km/85km)
④初日の最初に40kmほど輪行する。(90km/85km)
決め手は天気予報でした。30日の新潟のお天気は午前中が雨。お昼ごろにはやむとのこと。どうせ輪行するなら、雨の降っている時間帯にすべきだろうということで、④で合意しました。朝9時18分の磐越西線の会津若松行きに乗って、雨がやんだくらいから電車を降りて走り出したらちょうどええっちゅう考え方ですわ。走行距離も短縮できるし雨の中を走らずに済む。朝から走らないことが決まりますと、宴会で飲む飲むわです。5人で日本酒34合をあけました。それ以外にもビールも何杯か飲んでます。結局18時から翌1時まで7時間飲みっぱなしでした。
今朝の朝8時30分の新潟駅。雨の降る中、自転車を分解してバッグに詰めます。
問題はどこの駅までの切符を買うか。でもみなさん前夜のお酒が残ってるんでしょうか。誰が言い出すでもなく自然と喜多方までの切符を買ってます。喜多方っていうたら当初の目的地ですやん。走る気全然ありませんわ。新潟駅9番ホームに入ってきた電車に乗り込みます。
一応、平日の通勤時間帯ですので混んでたらいややなあと思いましたが、新潟から福島方面はガラガラでしたわ。
新津を過ぎてしばらくしてからの車窓からの風景。
阿賀野川沿いの道路は国道49号線。本来はここを走るはずでした。まあ途中まで電車乗るならええんですが、本来の目的地の喜多方まで全く走らずに電車で行ってしまうことに対するちょっとした罪悪感みたいなものがあります。
ところが、しばらくこの風景を見ていて違和感を感じたんです。国道49号線を通る車が全然ないんですわ。田舎やからこんなもんかいなあって思ってたんですけど、国道でっせ。全く通らないのは変です。そしてそんなことを考えながら見てますと、津川町あたりでえらい標識見つけましたわ。
「国道49号線。この先、通行止め。」
実際に道路上にバリケードが設置されてました。怠け心が半分で朝から電車を利用する選択をしたわけですが、結果的にこれが正解。もし朝から雨の中をがんばって49号線を走っていれば、この手前で通行止めに気がつき、手前のどっかの駅まで戻って、1時間に1本あるかないかのこの磐越西線の電車を待って喜多方までいくという、えらいことになってたわけですわ。そしてもっと言えうならば、私の重大な過ちがなければ、前夜にこんな議論もせず迷わず49号線を朝から走り出してたでしょう。重大な過ちは結果オーライとなったわけです。
そうなると、少しあった罪悪感がなくなります。どうどうと喜多方まで行くんです。この日の走りは喜多方から猪苗代の30kmちょっと。喜多方では十分な時間があります。
喜多方駅です。
自転車を組み立てたあとは観光案内所へ。こんな感じ。
ここでパンフレットをもらうだけでなく、丁寧に観光スポットを紹介してくれます。
こないしてサインペンで書き込んでくれます。3kmの桜並木のサイクリングロードと雲嶺庵という酒蔵の庭園。ここはフリーアナウンサーとしてTVで活躍されている唐橋ユミさんのお父さんが会長をされてるそうです。
そして喜多方と言えばラーメン。こんなパンフレットをくれました。
「どの店がいいですかね?」
こう聞きましたが、そりゃそうですわなあ。観光案内所の職員の立場ではどれがいいって言えませんわね。
「どれが一番おすすめと言われましても人それぞれ好みが違いますから、このパンフレットの写真を見て決めてください」
模範回答を言わはります。パンフの中身はこんなんです。
「喜多方ラーメン」って厳密な定義はないんですかね。店によってバラバラですわ。共通してるのは太めのちぢれ麺を使ってるってくらいかな。我々がはいった店はここ。
満席でしたが、少し待てば入れました。こんなラーメン。
シンプルな味でしたがおいしかったです。前日の新潟の三条で食べたんとはえらい違い。
ラーメンを食べ終えますと、桜のサイクリングロードを3kmほど走ります。
ここは中学生の通学路になってます。こないして集団下校してはるんですが、先生に指導されてるのでしょうか、見ず知らずの我々に「こんちわあ」って挨拶してくれます。うれしいもんです。
さらに2kmほど走りまして、今度は雲嶺庵。
こんな入り口です。
ここを入りますと立派な庭園。
こうして唐橋ユミさんがポスターに使われてます。
ユミさんのお父さんが社長を退かれて会長になられて、お兄さんが社長になられてるそうです。その兄さんが「宣伝に使えるものは何でも使え」という方針で、TBSサンデーモーニングで全国的にも有名になったユミさんを広告塔に起用されたそうです。事務所を通さないで仕事してはるんでしょうかね。
さて、まだ全然本気で走っていないこの日。30kmだけですが、今宵の宿まで本気で走ります。121号線は軽い下り。景色も抜群。
でも県道7号線に入ってからは約15kmずーっと上りです。結構脚に来てます。
そして宿に向かう最後の上り坂。写真ではわかりにくいかも知れません。むちゃくちゃきつい坂ですわ。
それでも何とかペンションに到着。
今日の予約は我々のみらしく、宿泊プランには飲み放題がついてます。また長い夜になりそうです。明日はこのツアー1番の難関。国道121号を米沢へ。大峠に挑みます。