9月13日から京都市美術館で「ワシントン・ナショナルギャラリー展」が開催されてます。印象派・ポスト印象派の奇跡のコレクションで、有名な絵がたくさん展示されてるみたいです。今週の日曜日11月27日が最終日ということで、今日は朝から美術館に行ってきました。
開館時刻は9時で、8時45分ごろに平安神宮近くの京都市美術館に到着したのですが、既に多くの人が並んではりました。
それでも10分ほど並べばチケットを買えました。早速中に入ります。
京都市美術館に来るのはもしかしたら小学校以来かも知れません。もともと絵画には今までは全く興味なかったんで行く機会もなかったんですが、非常に歴史を感じる建物で改めて感心しました。当然ですが、美術館の中の写真はNGですので、以下の画像はネット上で探して拾ってきたものを挿入しました。
朝一番なのにすごい数の人ですわ。入口で解説が聞けるオーディオ機器が500円で貸し出されてましたが、敢えて借りませんでした。素人の私なんかが絵を見るのに、専門的な解説してもらってもわかりまへん。それよりも変な先入観なしに「いいな」と思った絵を楽しむことの方がいいと思いますねん。
昔は絵なんか全く興味なかった理由の1つは、目の前の風景を表現するのに高解像度の写真というToolがあったからです。写真がなかった古い時代の絵ならともかく、近代では絵よりも写真の方がより正確に風景を伝達できると思ってたんです。
絵が面白いなと思いだしたのは10年くらい前からでしょうかね。目の前のリアルな風景情報を正確に伝達することよりも、画家というフィルターを通って得られた情報から、画家が何を考えとったかを推測して、友達とあれこれ言い合うことが面白く感じられるようになったんですわ。
例えばこの絵。今回の展示の中で気に行った絵の1つですわ。
「青い肘掛け椅子の上の少女」というタイトルがついてました。この女の子、椅子の上でなんでこんな格好してんにゃろと考えた場合に、あのー、正解はあるんかどうか知りませんで。勝手にいろいろ想像するんですわ。
学校でなにかおもろないことあって、家帰ってきて落ち込んでる?
手前にテレビがあって見てるんやけど、どのチャンネルもおもろい番組やってない状況?
両親が出かけて行って、時間になってもなかなか帰って来なくてすねてる?
まあ、こんなこといろいろ想像するいうわけですわ。この絵の場合は左の椅子の上で犬が寝てますなあ。これがポイントやと思うんですわ。この犬もなにか面白くなさそうな表情で、気持ちは女の子と一緒っちゅう感じに見えますわ。「お互いつまらん一日やなあ」って言うてそう。専門家の方、正解は何でしょうか?
あとは、今回の展示で私が気に行った作品の紹介だけしますわ。
これは「赤いチョッキの少年」。タイトルが少年ってなってますけど、20歳前後に見えますわ。視線の先には気にいった女の子がいて、どう声をかけようか考え中と想像。
これはゴッホの自画像と「日傘をさす女」。これは単純に有名だから本物の現物を見れたという感動だけ。
あとネットで拾えなかったんですが、桃がテーブルの上に転がってる極めて有名な絵も現物が見れて感動しましたわ。
さて出口を出ますと、例によってショップがあります。宝塚歌劇の時はすごい人であふれてまして、私もうかっと写真とか買いそうになりましたが、今回はそれほどテンションあがりませんでしたわ。絵の場合はやっぱり本物を見たばかりですからなあ。そのあと写真みても・・ってとこはあります。
意外と早く終わったので、美術館の周辺を散歩して帰ることにしました。午後から雨が降るっちゅう予報でしたんで、近くの紅葉スポットを歩いて観光します。
休日ですが、美術館すなわち平安神宮周辺はそれほど混雑してません。
疏水の両側にある桜の葉もようやく赤くなりました。
疏水に住んでる鴨が2羽並んで一緒に後ろむいてる姿がかわいいですな。
疏水沿いを東へ150m進むと南側にあるのが「無鄰庵(むりんあん)」です。これは山県有朋の別邸で、京都では有名な庭園の1つです。中へ入るには400円かかるので、玄関からちょいと中を覗かせてもらうだけにしました。
さらに疏水沿いに東へ歩きますと南禅寺へ続く道になります。ここはタダなので少し紅葉を楽しんでいくことにしました。もっと大渋滞してるかと思いましたが、意外と車は少ないです。
参道の途中にある「金地院(こんちいん)」です。ここの「鶴亀の庭」も京都では有名な庭園の1つです。私は行ったことはありませんが、400円かかるんで今回も行きません。
南禅寺につきました。びっくりしました。今、紅葉が最高の状態ですわ。カエデは色が緑のものとちょっとオレンジのものと真っ赤になったものがいいバランスで存在してます。そこにイチョウの真っ黄色があわさり何とも言えないいい感じになってます。
南禅寺を出たのが11時すぎ。この時間になると道路は渋滞してました。駐車場も大型観光バスでいっぱいです。午後からえらいことになるんでしょうか。
疏水のところまで戻ってきますと、「琵琶湖疏水記念館」ってのがあります。あるのは知ってたんですが、実際に前を通ると「入場無料」の表示が。タダなら勉強して行こうと入りました。立派な展示施設ですが運営しているのが京都市水道局です。なんやタダや思たら税金でやっとんのんかい。
明治になって都が東京に移ってからというのは京都は、経済的にも衰退の一途をたどったらしくて、幕末の動乱からの復興が全然進まなかったみたいです。その復興策の1つとして、琵琶湖の水を京都までもってきて日本初の事業用水力発電をやろうと、3代目知事の北垣さんがいい出さはったんだそうですが、この疏水のおかげで我々京都市民はおいしい水をいただくことができるんですなあ。感謝せんといけません。
30分ほどビデオみたり模型を動かしたりして勉強しました。勉強してわかりましたが東当時としてはすごい大きな事業だったんですねえ。琵琶湖の水面の位置を「0m」として、京都と大津の間の地域の高さを細かく調査して、しかも神社やお寺があればそこを避けるようなルートを考えはったそうです。南禅寺に「水路閣」というのがさっきの写真に写ってたと思いますが、南禅寺の中に疏水を流すわけにいかないので、景観にマッチするよう配慮して上を通すように設計されたもんらしいですわ。
立派な模型がありました。疏水は第1疏水、第2疏水と2つあることも知りませんでしたわ。非常にわかりやすい模型でした。
記念館の地下の出口からでるとインクラインのところに出られました。インクラインとは大津と京都の高低差の部分で舟が通過できないので、専用のレールの上に舟を乗せて上下させる仕組みですわ。舟用のリフトですな。今はもちろん使われてませんので、一般の人の遊び場になってます。
時刻は12時前。そろそろどこかでお昼ご飯食べて帰ることに。疏水沿いに西へ歩いてもともとの美術館の方に戻る途中、疏水から分かれて南へ流れる1本の川を見つけました。紅葉もきれいな上に観光客もおらずに静かなので、ちょっとだけ歩いてみることにしました。
いい感じの風景やなあと思いながら写真を撮り撮りして川沿いを歩いてます。三条通りをこえるまで、この川が白川やということに気がつきませんでした。長年京都に住んでますが、まだまだ知らんこともぎょうさんあります。
何も考えんと白川沿いをあるいてますと、とうとう祇園まで来てしまいました。このあたりに来ると観光客も増えてきます。
こんな組合あるんですね。舞妓さんとかが入る健康保険組合なんでしょうね。そりゃ舞妓はんも病気やケガしますから・・それよりも11月の授業の時間割がこんな風に掲示してあるのにはびっくりしました。“舞踊科”はわかるんですけど、長唄や小唄や地唄や清元って、今でも細かく科目が分かれてるんですね。
四条通りに出ますとすごい数の観光客ですわ。スムーズに歩けません。抹茶アイスで有名な「辻利」さんの前にはすごい行列ができてます。
このあとの天丼の「天周」さんの前にも30人くらい並んではりました。せまい店やのに30番目の人なんか3回転以上待たないと入れないと思うんですけど、観光客はみんな並ぶんですね。並ぶ時間ってもったいないと思うんですけどね。私はようしません。この時期は基本的には予約しておかないと。。
という私もここまで歩くとは予想してなかったのでランチのお店は予約してませんので、適当に空いている店を選んで入りました。普通のとんかつの店ですが普通においしかったですわ。
何とか雨が降り出す前に家に無事に帰ってこれました。