先週末に大雨が降ったせいか、今週は随分涼しくなって過ごしやすい日が続いております。
今週は北陸出張。昨日の金沢駅前の温度計です。
14時ごろの温度は36℃って表示されてますが、これがあんまり暑いと感じないんですな。おそらく湿度が高くないのやと思いますが、空気中の水分だけやのうて、窒素と酸素以外の何か別の空気の成分が「秋味」に入れ替わってるような気がします。何でしょうね。専門の方や詳しい方がいらっしゃったら教えてもらいたいですわ。
あとね。人間の身体が猛暑に慣れてきてるのと違うかなあ。この前まで京都では最高気温が37℃とか38℃とか言われてましたでしょ。あれに慣れてしまってるから36℃が涼しく感じられるのやと思います。この前までの京都で37℃とか38℃とか言うてたの、あれ絶対ウソですよ。報道されてるのは百葉箱の中の温度でしょ。アスファルトの上でリアルに温度測ったら、絶対45度くらいあったはずやと思うてます。それに比べたらリアルな36℃なんてどおってことない気温ですわ。確かに直射日光のあたるところでは少し暑いかなあって感じますけど、ちょっと日陰に入ればほんとに気持ちいい気候になりました。
出張で北陸へ来ますとやっぱりおいしいお魚を食べときたいなあって思います。水曜日は高岡のなじみの居酒屋さんに行ったんです。
ところがね。別においしくなかったわけではありませんが、以前とはちょっと様子が違ったんです。明らかに魚の種類が少ない。
「お刺身、今日は何がいいですかねえ」
マスターにこう聞きますと、えらいもんです。正直に言うてくれます。
「ここのところの猛暑で海水温が高くていい魚が全然ないんです」
やっぱりお店はスタッフと仲良くなっとくもんでっせ。知らんお客やったらおいしくないものをオススメって言うて食べさせられるところです。マスターの言うには鯵は最悪、サバはまだマシやけど、タコなんかはやめといた方がええとか。結局バイ貝と〆サバをお刺身でいただきましたわ。
これ、ほんまかどうか知りませんけど、魚も熱中症になるんやてね。海水温の上昇でタコが海底でぎょうさん死んでるんやて。死ななくても鯵やサバは弱って鮮度が落ちるって言うてはりましたわ。実際メニューには北海道のサンマとか三重のイシダイとかあるんです。きときと富山のお店にですよ。この店は地元の氷見や新湊の魚を安く提供する店やったはずなんですが、地元以外の素材をどんどん仕入れてはるんですわ。
マスターが言うには、暑さで弱った地元の魚より、涼しい遠くで獲れた魚の方が鮮度がええんやてね。それでわざわざ仕入れるらしいですわ。
写真に撮るのを忘れましたが、北海道のサンマの塩焼きは1匹950円ですわ。地元で獲れた高級魚のどぐろの塩焼きは1600円。どう考えてものどぐろの方がバリューやと思うんですが、信じられんことに先に売り切れたのはサンマの方です。私はのどぐろをいただきましたが、これは変わらず最高においしかったですよ。東京で食べれば3000円くらいするものだと思います。でもサンマの塩焼きが950円は高すぎですわ。
まあ、あまりおいしくないって言われるものをたくさん食べる気もしないんで、この日はとっととホテルに戻りました。
さて北陸出張2日目の昨日は午後から福井です。それも福井市ではなくてもうちょっと南の越前町というところ。駅でいうと武生というところです。武生は「たけふ」と読みます。見たことはないんですが菊人形が有名だそうです
17時過ぎに仕事が終わって、地元の社員に車で武生駅に送ってもらいますと時刻は17時20分。京都に帰りたいんですが、駅の時刻表はこんなのです。
18時55分のサンダーバード40号まで1時間半も待たないといけません。しらさぎ14号で米原経由で帰ったらええんとちゃうのんって思うでしょ。それができないんです。乗車券は金沢から京都まで既に買ってて、既に使用してて武生で途中下車してる状態なんです。
駅で90分ぼーっと待ってても仕方ありませんので、荷物をコインロッカーに預けましていつものように駅前をぼらぼらすることにしました。
駅前の風景はこんな感じです。
平和堂とかアルプラって滋賀や北陸の駅にはどこでもありますなあ。
さて駅前でまず目に入ったのが「大江戸」という飲食店。
「技が活きる 味が活きる 地域と共に60年」ってええなあ。ただ、このレストランはなんでも屋ですわ。一見すると寿司屋に見えますが、かつ丼もそばもやってます。きわめつけはこれ。
「越前市の絶品ボルガライス」って書いてますが、ボルガライスって何やろ?武生のB級グルメって書いてましたけど、写真を見る限りオムライスみたいなもんにトンカツがのってます。興味はありますが、ぼらぼらはまだ始まったばかり。ここで引っかかるわけにはいきません。
JRの駅の横にはローカル私鉄が走ってます。これ、てっきり福井市で見た「えちぜん鉄道」やと思うてましたけど違うんですね。
「福井鉄道」やって。越前市にあるのが「福井鉄道」で、福井市にあるのが「えちぜん鉄道」。まあどうでもええですけど。
しばらく歩きますと越前市役所がありました。
グリーンカーテンが目的でしょうか。ゴーヤが植えられてます。実が完熟して黄色くなってます。市役所の前にこんなものが。
武生市閉市記念碑ってあります。市町村合併で市がなくなることを「閉市」っていうんですね。知りませんでした。
しばらく歩きますと商店街になります。ここでもボルガライスの宣伝。
さらに行きますと「蔵の辻」というところがありました。
何かいなあって思って奥に入っていくと、白壁の蔵が立ち並ぶこんな広場が。
なかなかいい雰囲気です。それぞれの蔵は、こうやって飲食店やコンサートバーなどになってます。
反対側の入口。すこし日が暮れてさらにええ感じです。
さらに行きますと、総社大神という神社がありました。
この日は特にお願いごとがないのですが、一応お参りしておきます。
境内にこうやって飲食店があるんですね。普通に営業してはりますが、何か違和感あります。
ここは洋食屋さんみたいですが、「ボルガライスあります」って書かれてます。
さて、気がつくと時刻は18時20分。予定のサンダーバードまであと35分です。歩いて駅に戻ったらぴったりの時間なんですが、なかなかそうはいかないんです。ちょっとだけ飲んで帰りたいなって思うから不思議なもんです。ボルガライスがどんなもんか見てみたいって気持ちもあります。ちょっとだけ考えて、1本あとの19時40分のサンダーバードで帰ることを決断。そうすると時間はあと80分あります。軽く飲むには十分な時間です。
ぼらぼらしてて気になったお店は、さっきの神社の中にあった洋食屋さんと商店街にあった居酒屋さん。これです。
漁港直送って言葉に弱いですわ。前日富山でいいお刺身に出会えなかったというのもありますからね。あとこの店、こんな看板だしてまして、おもしろそうなオリジナルメニューがいっぱいありそうなんです。
当然「ボルガライス」くらいはメニューにあるやろうと思ったんです。
さあ、どっちに入ろうか。一応「食べログ」で検索します。すると洋食屋さんは3.52の高評価。特に口コミではここの「ボルガライス」を絶賛するコメントがいっぱいです。一方の居酒屋「平ちゃん」は口コミがありません。情報全くなしです。
さて、どっちに入ったと思います?
勇気を持って居酒屋「平ちゃん」の方に入りましたわ。理由1つ目。洋食でワインを飲むというよりはお刺身で日本酒を飲みたいという気分やったこと。2つ目。外から見る限り洋食屋さんにお客さんが誰も入ってなかったこと。3つ目。あんだけ町をあげて宣伝してるボルガライスは居酒屋「平ちゃん」でもきっと食べられるはずって考えたこと。
店に入りますとお客さんは2人。地元の人が飲んではりました。オススメのお刺身を聞いたんですが、ここも海水温が高いんでしょうか、種類がないんですわ。
で、「ブリ玉」というものを注文しました。これ、ブリをユッケみたいにして食べるもんらしいです。ここの店のオリジナルだそうです。
これ、たたいたブリの下にあるもの何かわかりますか?信じられないのですがキャベツの千切りなんです。ちょっと醤油をかけてごちゃっと混ぜて食べて下さいって言われたんですが、どう考えてもキャベツは刺身に合いませんで。ブリ自体は非常においしかったんですが、このキャベツが邪魔で邪魔で。言われた通り混ぜてしもてるから、もうどうしようもないですわ。
結局、この店は「ブリ玉」だけで出ました。期待してたボルガライスもメニューにないし。サンダーバードまで時間もないので、さっと店を出て洋食屋さんの方に入り直しです。
これがメニューです。
時間もあんまりないんで、注文するもんは店に入る前からもう決めてます。ボルガライスとグラスワイン。ところが洋食屋さんなのにワインがおいてないんですわ。メニューには「御酒」「ビール」「ジュース」「サイダー」しか書いてありません。
仕方ないのでビールを注文したんですが、他のお客さんの飲んではるもん見てびっくりです。みんな「御酒」なんですわ。燗してる人もいてます。福井の人は洋食でも普通に日本酒を飲むんですかね。
注文したボルガライスがこれ。
オープンキッチンですので、作ってるところが見えます。普通にオムライスを作りはって、その上にトンカツをのせて、上からデミグラスソースをかけはりました。
なんてったって「絶品」のボルガライスですからなあ、トンカツやデミソースになんぞ細工がしてあるんやろうなあって思いながら食べました。
普通の豚肉を揚げただけのトンカツでしたわ。ソースも普通です。いえ、マズイってわけじゃないですよ。いたって普通のデミソースです。もちろんオムライスは普通においしいです。つまりボルガライスを分析しますと、普通のオムライスに普通のトンカツをのせて普通のデミソースを上からかけたもんなんです。トンカツとオムライスを一緒に口に入れることで相乗効果があるんかなあって思ったんですが、逆にオムライスのバターのいい香りがトンカツの油で消されてしまう感じがしてよろしくないですわ。ブリとキャベツを混ぜることよりはマシですけど、オムライスとトンカツはやっぱり別々に食べた方がいいと思います。
最後に店のマスターに聞きました。
「これ、なんでボルガライスって言いますのん?ボルガってどういう意味?」
するとマスターはこう言いました。
「起源や発祥についてはよくわかってないことになってます。ボルガという言葉についても不明ということにしてあるんです。」
「なってます」「してあるんです」ってことは、本当は何か知ってるんと違うのん。何か裏があるんと違いますかね。
食べ終わってからもお店でそんな話をしてだらだらしてたもんで、うかっと19時40分のサンダーバードに乗り遅れてしまいましたわ。武生駅で1時間待つくらいならと、普通電車の敦賀行に乗ったんですが、敦賀から先の電車がないんですね。武生駅よりもずっと寂しい敦賀駅で次のサンダーバードを24分間待つことになってしまいました。