暑さ寒さも彼岸までとはよう言うたもんですな。今日はちょいと冷え込んどりますが、先週末はずいぶんと暖かくなりましてあちこちから桜の開花の便りが聞かれるようになりました。後ほど写真を貼りますが、京都御所でも既に桜が開花しとります。見頃になるのは今度の週末で4月に入ったころに満開になるんだそうです。若いころはそんなに意識しなかったんですが、どういうわけかここ数年は毎年この時期に満開の桜とプロ野球の開幕が待ち遠しくてたまりません。 そんな春の陽気を感じるお彼岸の21日の土曜日。朝から伏見の蔵開きのイベントに行ってまいりました。ちょうど2年前にもこのイベントには1人で行ってこのブログにも記事を書いてます。【蔵開き2013/03/23】 先月の飲み会の席でたまたま日本酒の話題でもりあがって、「もうすぐこんなおもしろいイベントが伏見でありまっせ」みたいな話を私がしたところ、みんなして「行こうー行こうー」って話がまとまったんですわ。みなさん適当に声かけはったんで誰が来るのかもようわかってなかったんですが、京都だけでなく滋賀や宝塚からも老若男女が集まってくれまして、合計9名が京阪電車の丹波橋駅に集合して歩きだします。 私がナビゲーター。2年前に歩いたのを同じルートをご案内です。まずはキンシ正宗さんから。 既に大勢の人で賑わってます。1杯100円から300円くらいでお酒を飲むことができます。雰囲気だけでも結構もりあがるもんですね。 串カツとかフライドポテトとか売ってるんですが、そんなものを買うのは素人です。プロはこういう試食品をタダでもらうんです。 2年前もお世話になったポン酢屋さんですわ。1口サイズの焼き魚と豆腐を配布してます。まことにええアテです。おいしいお酒を1杯いただいたところで、若いもん2人がこう言います。 「すいません。もう1杯飲む時間ありますかね。」 素人はこれやから困る。どうやら違う種類のお酒が飲みたいそうな。「時間はあるからおかわりするのは全然かまへんのやけど、1軒で2杯ずつ飲んだら全部で何杯飲まなあかんか計算できるかあ?」って言うてやったら「やめときます」って言いよりました。 次に向かったのは玉乃光さん。2年前は招徳さんに行ったのですが、お酒の種類が少なかったのでパスです。えらいもんですなあ。こないしてタクシーで乗りつけて酒蔵を回る人もいてはります。 ここも大勢の人で賑わってます。 ここはチケット制やったんですが、どうやら2年前とはルールが違うようです。ここの受付でルールを確認しますと、1000円で100円チケットが10枚のセットを買うんだそうです。これには無料きき酒券がついてます。写真のチケットの一番上、わかりますかねえ。 で、2年前はちゃんとしたおちょこを買わされた記憶があるのですが、今年はプラスチックのカップがタダでもらえます。これできき酒を1杯無料で飲めるんです。で、残りの100円チケットは会場内で1枚100円として使えるんだそうな。面白いのは使いきれなかったチケットは帰りに現金に換金してくれるっちゅうんです。2年前は無理やり使い切った記憶がありますけど。で、まずは無料のきき酒。 無料のきき酒は銘柄が決まってます。これしか飲めないんですが、これがまたおいしい。で、ここの兄さんに素朴な疑問をぶつけてやりました。
「この100円チケット、まだ使ってないんで10枚とも残ってるんですけど、これ、1枚100円で買い取ってくれるっちゅうことですわな」
お兄さんは笑顔で「そうです」って言うた後に、こっちが言おうとしてたことを先に言いよりました。
「一旦換金して1000円受け取ってもらって、もう1回チケットを買い直してもらったら、無料のきき酒がおう1杯飲めますよ」
同じこと言う人がいてるんやろね。ちゃんとわかってはりましたわ。それやったらこんなややこしいシステムにせんと、きき酒はおかわり自由にしたらええのにって思うけど、まあそうするとむちゃくちゃ飲む人がでてくるんやろね。チケットを3枚使って「蔵内限定のしぼりたて」をいただきました。 さて、この奥に行きますとこんなお店が出てます。 備前焼の酒器を売ってはりますが、うしろの壁に「備前焼には玉乃光が一番合う」って書いてあるんです。それ、逆と違いますかね。「玉乃光には備前焼が一番合う」って書かないとあかんと思うんですけど。で、このおっさんに聞いてやりました。
「備前焼には玉乃光が一番合うって書いてますけど、この酒器では玉乃光しかおいしく飲めへんってことですかね?」
まあ「一番合う」やから2番目でも3番目でも合う酒はあるっちゅう理解もできんことはないけど、おっさんこう言いよります。
「そんなことあらへんで。備前焼はどんなお酒でもおいしく飲めますよ。かなり安くしてありますんで、是非買うて帰ってくださいな。その手前のコーナーは500円でっせ。」
写真には写ってませんが、一番手前に「超大特価コーナー500円」って書いてあります。その中にちょいとええ感じの片口がありました。熱燗を入れる徳利とは違って冷酒を入れる用の酒器ですわ。その場で写真を撮り忘れたんで、家の帰ってから撮った写真。こんなのです。 これ値札が1620円って書いてましたけど、なんで500円なんかようわからん。500円コーナーの他の商品は、よう見たらちょっとキズがあったり問題ない程度のヒビが入ってたりするのがわかるんですが、これについてはキズらしいキズもありません。よう探したらキズがあるんかも知れませんが、おっさんに聞いてみました。 「これ、目立ったキズとかないんやけど、どっか割れてるとか穴が開いてるとかで、酒が漏れるっちゅうことあらへんやろね?」 おっさんは自信を持って言いよりました。 「もちろんですよ。割れてもいないし穴も開いてませんわ。漏れることはありません。」 そういうんで同じデザインのおちょこ2つと一緒に買うて帰りました。 さて、3軒目は桃の滴で有名な松本酒造さん。結構歩いて前まで来たのですが、ここは入場料を取りよるんです。 取るのはかまへんのですが、1000円の入場料を払ってお酒が3杯飲めるっちゅうルール。このルールはアカンやろってことでパス。 次に2年前に一番印象が良かった藤岡酒造さんに。 ところが、ここは今年の仕込みが間に合わなかったために今回の日本酒まつりには参加してへんって貼り紙がしてありましたわ。「蒼空」ってお酒を一番楽しみにしてたのに残念。仕方なくっちゃあ失礼ですが、そのまま南下して黄桜さんに。いわゆる「カッパカントリー」です。 こんな感じで1杯200円前後で試飲させてもらえます。 この時間になりますとお腹もすいてくるんでしょうな。みなさん食べ物もいろいろ買って食べてはりますが、プロはそんなもの買いません。タダの試食品をつまみながらお酒を飲みます。 この酒蒸しあさりがむちゃくちゃ美味しかった。日本酒のええアテですわ。 さて時刻は13時前。まだまだ飲めるんですが、みんなそろそろお腹がすいたのと座りたくなったんでしょうな。どこからともなく「どっかお店に入りましょ」みたいな声が聞こえてきましたんで、どこがええかって聞いたら「鳥せい本店」に行きたいとのこと。鳥せいさんって悪いお店ではないんですが、京都市内になんぼでもあるチェーン店ですから、本店やからって言うてわざわざ行かんでもええと思うんですが、口コミで評判なんでしょうな。一応行きました。 店内は大混雑。待ち時間1時間以上やって。信じられん。この後もう1軒「神聖」さんでお酒を飲んで、13時30分くらいに駅前の商店街にあるお店でお昼ごはん。お昼ごはんと言うても結局夕方までだらだらと飲んで過ごしました。 以上が土曜日の話。家に帰ったのは17時過ぎですが、晩御飯もろくに食べずに早々に寝てしまいまして、起きたのが日曜日の朝。 前の晩からほとんど食べておりませんので、結構お腹がすいてます。テレビを見てたらラーメン特集をやってたっちゅうのもあって、お天気もいいことですのでチャリンコに乗ってラーメンを食べにいくことに。嫁のリクエストで北大路にあるいいちょさんに向かいました。 いいちょさんは京都では定番のお店。行くのは1年ぶりくらいですが、店内にこんなもんがあるって知りませんでした。 馬主なんかな。2014年の6月の未勝利戦で「イイチョ」って馬が初勝利したときの写真とゼッケンがありましたわ。後でネットで調べたら最近は惨敗続きみたい。肝心のラーメンはこれ。 いたってシンプルなラーメンです。ラーメンは好みがありますのでなんとも言えませんが、スタンダードなラーメンやと思います。満足です。 ラーメンの帰り道、御所に立ち寄りました。もう桜が咲いてるんですな。御所の写真を4枚貼っておきます。 これは桜でも梅でもなくて桃ですわ。 御所からうちの家に帰る途中の一条戻り橋。陰陽師で有名な晴明神社のあるところです。ここの桜は河津桜で早咲きですから既にピークを過ぎてる感じ。でもね。まあ4月に選挙があるのはわかるけど、この場所に選挙看板設置するのんって気が気がきかへんね。 反対側から撮るとこんな感じ。観光客がぎょうさんいてました。 さあ、おうちに帰ってきたのが15時前。ラーメン食べたとは言え、それなりに運動してますのでおなかがすきます。軽く競馬を楽しみましてお風呂に入りますと時刻は17時30分。この時間から何かすることはあんまりあらへんわなあって考えるとちょっと時間早いけど飲もかって気持ちになります。前日にカッパカントリーで買った冷凍ハモがありまして、それをアテに宮城の地酒「伯楽星」を飲むことに。 そう言えば前日に備前焼の片口を買ってますからなあ。玉乃光が一番合うって言うとったけど伯楽星でも合うはず。買った片口に伯楽星をたっぷり入れましてハモの梅肉を用意します。 これ、おちょこに注いだところですが、ちょいと伯楽星を片口に入れすぎたんでしょうな。注ぎ口だけやのうて一番上からもお酒がこぼれますねん。再現したらこんな感じ。 ところがね。ある程度お酒を飲んで片口の中のお酒が減った状態でもこないなりますねん。かなり傾けても注ぎ口からお酒が出ずに上からお酒がでます。これはおかしいやろって思ってよく観察してみました。注ぎ口の中身をフラッシュを使って撮影。 片口の中をフラッシュを使って撮影。 備前焼を売ってたおっさんの言うてたことが、よくよく理解できて笑ってしまいましたわ。確かに「穴は開いてるということは絶対にありません」って言うてましたわ。そういうことやったんですな。 この片口、結局こないして使うしかありません。 不便な片口を買ってしまった2015年の蔵開きでした。