昨日の夜のニュースで、「今夜から明日にかけて大雪になります」って言うてはりましたが、今朝6時30分に起きてみると京都市内(いうても上京区の自宅近くしか確認してませんが)では雪が積もっとりませんでした。でもTVをつけますと「首都圏では積雪が・・」っていうてますんで、いったいどんだけ積もってるんかなあと興味を持ってニュースを聞いておりますと、都内で積雪がたった4cmとのこと。田舎なんかでは毎日もっとたくさん降ってても皆さんちゃんと生活してはるのに、東京ではたった4cmくらいで大騒ぎせなあかんのかいなあと不思議に思うております。雪で滑って転倒してケガするとか交通が乱れるとか言うて大変や大変やて言うてはりますが、それは首都圏でも札幌でも同じように大変やと思いますけどね。普段から雪に慣れてるか慣れてないか、備えがあるかないかの違いだけやないですか。ですのでこのニュースを首都圏ローカルで大変や大変や言うて放送するのはまあ当然ですけど、これがわざわざ全国ネットでしかも朝の忙しい時間帯に大騒ぎで報道されるのを、東北や新潟の豪雪地帯の人はどんなふうに見てるんでしょうなあ。もし鹿児島市内で朝に雪が4cm積もってたら全国ネットで大騒ぎするんやろか。
さて雪による交通の乱れ、今日に限っては他人事ではありません。今日の仕事は京都府の上の方、峰山というところにお昼すぎに行かなあきません。カニで有名なところですわ。話は変わりますが、今年のカニはむちゃくちゃ高いですなあ。このままですと今シーズンはどうやら口にできそうにないですわ。タグ付の上等のカニはもちろん、ロシア産のものでも例年の2倍近くの値段になってるみたいです。
カニの話はおいといて、その峰山に行くのに二条駅を9時30分発の「特急はしだて1号」のキップを持ってたんで、それがちゃんと運行されるのかどうかJR西日本のホームページで確認しました。峰山あたりはスキー場があるくらいの京都の豪雪地帯ですから電車の遅れや運転取りやめが出ても不思議やありません。確認するとやっぱりですわ。
「園部~福知山間、昨夜の積雪による倒木のため運転見合わせ」
「遅れ」くらいならいいんですが、運転見合わせっていうとなんぼ早い時間に出ても絶対に着けませんわ。別のルートを考えないといけません。
この瞬間に思いついた方法は3つです。
(1) 京都からJR京都線で尼崎まで行き、JR福知山線に乗り換えて福知山まで行く
(2) 車でJR福知山駅まで行って、そこから電車に乗る
(3) 峰山まで車で行く
要するに「福知山の手前のどっかで木が倒れてて電車が通れへんからその区間は運転しません」って理解したもんで、JRで大阪を経由するなり車で福知山まで行くなりして福知山に10時40分までに着けば仕事に間に合うやろと考えたんですわ。今すぐ出れば3時間30分もあるわけですから大阪経由のJRでも車でゆっくり走っても、福知山10時40分は不可能とは思いませんでした。車の場合はノーマルタイヤなんで途中で雪が積もってれば心配はありますが、チェーンももってますしこの時点で高速道路で規制がなかったんで福知山までならまあ大丈夫だろうと思うてました。
あとはJR福知山線の方で本当に遅れが出てないか、そのへんを確認する必要があるので7時20分に自宅を車で出て、JR二条駅の駐車場に車を入れて、みどりの窓口のお兄さんのところで情報収集をしに行きます。JR福知山線経由で10時40分までに福知山に確実に着ける状況なら、そのまあJR乗って京都駅まで出て尼崎まわりで福知山に行く、もし怪しかったら駐車場に戻って車に乗ってJR福知山駅まで運転する。こんな風に心に決めてました。チケットを見せて
「すいません。今日のはしだて1号のキップ持ってるんですけど、園部から先は運休ですよね。大阪へ出て福知山線経由のキップに変更して欲しいんですけど、福知山線はダイヤ通り動いてますか?」
こう質問しました。窓口のお兄さんはこう言います。
「あっ、これ9時30分の特急ですね。あー、まだ決定ではないですがこれはたぶん運転取りやめになると思いますわー。取りやめにならなくても大幅に遅れると思います。」
それはわかってんねん。福知山の手前で大きい木が倒れてるんやから、特急だけやのうても普通電車も通れへん。尼崎からの福知山線はどうなってんのかを聞いてるんですわ。すると意外な答えが。
「普通電車はもう動いてますよー。遅れは出てますけど。このキップでしたらこのまま二条駅から普通電車で言ってもらえば福知山まで行けますよ。」
ええっ、線路に倒れてる木はもう撤去できたんかいな。ほんなら特急も動かしてえなあと思いますが、まあ車両の手配の都合なんかもあるんでしょう。とりあえずこのまま特急券は使わずに、サクっとやってきた普通電車の園部行きに飛び乗りました。普通電車でだいたい福知山まで通常1時間30分くらいなんで、まあどんだけ遅れても3時間あれば福知山に着くやろうと思って一安心しました。
普通電車も座れさえすればなかなか楽しいもんです。幸い園部行きはガラガラの車内。4人がけのBOX席を1人で使います。そんな状況なんでPCを開いて朝一番のメールの処理など十分に仕事ができましたわ。1時間弱で園部に到着です。
ところが到着手前に車掌が嫌なアナウンスをしよります。
「ご乗車ありがとうございます。まもなく終点園部です。出口は右側です。」
ここまではよろしい。
「園部から先、福知山方面へ向かう電車は昨日からの雪による倒木のため、現在運転を見合わせております。お急ぎのところ申し訳ございませんが、駅のアナウンスに十分ご注意ください」
よくもこんな大胆なことを言いよりますわ。二条駅のみどりの窓口の兄さんの嘘つきぃ。もう電車動いてて普通電車で福知山まで行けるて言うたから園部まで来たのにぃ。園部まで来てしもたらもうどうしようもありませんがな。ほんまに動かへんにゃったら園部からタクシーで福知山まで行くしか方法はありませんわ。けどタクシー使うとなんぼかかるやわかりません。とりあえず隣のホームに園部発の福知山行きの普通電車が止まっててお客さんが乗ってはるんで、いつ動き出すかわからんけど乗っとこ思って乗りました。頻繁にアナウンスがあります。
「8時51分発の普通電車福知山行きです。現在、安栖里から福知山の間、雪による倒木により運転を見合わせております。お急ぎのところ申し訳ございませんが運転再開までしばらくお待ちください」
状況は朝出るときにネットで調べた内容と変わってません。でもここでよく考えました。今はまだ8時51分になってません。でも電車はホームにこうして準備されてお客さんもたくさん乗ってます。朝から一本も動いていないなら順番からすればその前の8時17分の電車とか7時26分の電車を先に動かすべきなのに、それらは既に運休になっとります。8時51分の電車がこうして既にホームに準備されているということは、JR西日本は8時51分から何分か遅れることはあっても運休にまでする気はないなと考えたんですわ。
ということで、早々に運転が再開されると信じて待つことにしました。
1両目の車両の前の方に座ってますと、次から次と運転席にやってきて運転手に質問します。ほとんどが私と同じようなタイプ、スーツ着てネクタイ締めたサラリーマン風の男の人ですわ。私もまさに同じ状況ですので、お気持ちは大変よくわかるんですが、言うてることをよく聞いてると、みんなわけのわからんこと言うてはります。
「何分くらいで運転再開ですか?」
運転手はこう答えます。
「現在線路の安全を確認中で、安全が確認でき次第順番に運転再開します。何分くらいかと言われてもなんともお答えできない状況で大変申し訳ございません。」
すると男は
「雪で遅れるのはわかっていて仕方ないのですけど、実は福知山で12時から重要な会議がありまして、もし1時間以上遅れるのであれば今すぐタクシーを使ってでもいかないと間に合わないのですが、何分くらい遅れるかだいたいでいいのですけど・・」
運転手さん、女性なんですが大変困ってはります。
「そうですねえ、安全が確認できないことには運転再開できませんし、単線ですので行き違い電車の兼ね合いもありますので、何とも申し上げられません。1時間も遅れないようには思うのですが私も責任持てませんので、もし心配でしたらタクシーを利用されたほうが確実かと思いますが。」
非常に丁寧な模範的な回答ですね。ところが男はこれに納得しません。
「困りますね。実はその会議というのは私が一番最初にプレゼンしないと会議が進められないものでして、取引先も含めて30人以上の人に迷惑がかかるんですわ。倒木の処理の状況がどのくらい進んでいるかわかりませんかね」
アンタの会議がどんなもんかを運転手さんに言うてどないすんねんと思いますね。またアンタが倒木の処理状況について知ったら何かが解決するんかいなと言いたいですわ。そんな大事な会議やったら絶対にタクシーに賭けるべきですわ。それともパワーポイントのデータを誰か同僚に送って代理でプレゼンしてもらうとか、何か方法を考えんとあきませんわ。だいたいアンタ1人がおらんかったら会議が全く機能しないってなことはほとんどないと思いますけどね。
その男の後ろに行列が出来てるのをみて、その男はここで引き下がりましたが、次に並んでる男が運転手さんにこんな質問をします。
「遅れの程度によっては、一旦京都に戻って尼崎経由で福知山線で福知山に行くことも考えているのですが、現在の状況で運転再開まであと何分くらいかかるのかだいたいでいいので教えてもらえませんか?」
おい兄さん。アンタもアホか。アンタ今ずっと前の男と運転手さんの会話を聞いとったやろ。福知山に行く代替の方法が違うだけで、聞いてる内容の本質は全く同じやがな。でも運転手さんは嫌な顔せず丁寧に答えてはります。
「現在線路の安全を確認中で、安全が確認でき次第順番に運転再開します。何分くらいかと言われてもなんともお答えできない状況で大変申し訳ございません。」
さっきのをコピペしたんですが、実際の言葉使いはちょっと違ったかも知れません。同じこと何回言わせんねんと言いたいだろうなあと思いますが、きちんと丁寧に対応されてる姿は素晴らしいもんです。
さて9時20分ごろには運転再開の目処がたちました。園部から福知山までだいたい1時間くらいかかりますから9時20分に運転再開すれば10時30分ごろには福知山に着けます。まあ10時45分の福知山発の電車に間に合ういうことやと、ここでも一安心しました。
ところがですわ。電車は下山駅を出ますと徐行運転をするんです。1両目の前の席ですので無線の音声も聞こえます。線路上にある電車にどっかから細かい指示がされてまして、この電車も時速15kmで走行するよう指示されているみたいです。線路上にそんな雪はないし、風も強くないのに何でかなあと思ってたんですが、しばらくして理由がわかりました。窓に線路脇に生えてる木の枝が「バーン」とすごいごっつい音たててぶつかったんですわ。びっくりしまっせ。ここで初めて気がついたんですが、「倒木」というのはイメージしてたようなごっつい木がどっか1箇所にドーンと倒れて線路を塞いでいるのではなくて、線路脇の「枝」レベルのちいさい木が雪の重みで樹木の本体から折れて落ちて線路のそこらじゅうにばら撒かれてるっていうイメージやいうことに。なのでとりあえずは全部撤去したけど、新たに折れて線路の上に枝が落ちてる可能性があるんで徐行運転してるんですわ。でもこの徐行運転の区間は迫力ありましたで。写真を撮ってなかったのが残念ですが車両に木の枝がすごい音をたててぶつかりながら進んでいきます。運転手さんもこわかったやろなあ。
ところどころで徐行運転するので、当然福知山に10時45分に到着するのは絶望的になりました。どうしようもありません。でも10時45分前に着くことに意味がないことにここでようやく気がつきました。私もアホです。10時45分福知山発の電車は京都からやってくるはずの「はしだて1号」です。特急ですから運休ですわ。ですので、仮に最初に考えたオプションの(1)の福知山線経由の方法を取ったとしても、(2)の車で福知山駅まで行くという方法を取ったとしても、結果は同じになったちゅうことですわ。
次の普通電車は11時9分発です。それにはまあ間に合うからとりあえず宮津までは行けます。11時54分着ですので、そこからタクシー使えば何とか約束の時間に間に合うかなあという感じ。でもじたばたしてももうそれしか方法はありません。
さいわい宮津駅前にタクシーが1台おりまして、ぎりぎりになりましたが何とか仕事に間に合いました。まあ最後はハラハラしましたが何とかなるもんですなあ。