先日、我が家でまもなく定年を迎える浄水器に関連して、水の話をネットで勉強したっちゅう話を書きましたが、今日はその続編です。3泊4日の九州出張から帰ってきた翌日の全休の月曜日に、ふらふらといつもの家電量販店に行って浄水器を見てきました。
前に書きました「セントラル浄水器」という家の中で使う水を丸ごと浄水するっちゅうものは数十万円という価格のこともありますが、塩素の入った水を全く使えなくなるという理由もあって、導入する気は全くなくなっとります。そのためまあ家電量販店に行けば、それ以外のタイプの浄水器はいろいろあるやろって思うたんです。
お店に行くのは、その場で浄水器を買うことが目的じゃありません。私がネットで勉強して理解したことが正しいかどうかを検証することと、実際にどういった商品が人気があって、製品ごとにどんな特性があるのかを教えてもらうためです。いくらネットが便利になった時代とは言え、こういうことはやっぱり実物を見て、専門の人間に教えてもらわないとダメですわ。逆に実際のお店でちゃんと物を見た上でこれがいいと確信したならば、家に帰ってから同じ商品をネットで探すっちゅうことができます。まあ私は説明だけさせて商品はネットで安く買うっていうような気の毒なことはしませんけどね。ネットで売られてるだろう値段まで値引きしてもらった上で、ちゃんとそのお店のその人から商品を買います。こっちの方が気の毒っていう声も聞こえてきそうですが。。
さて浄水器売場でいろいろ商品を見ていた私に声をかけてきた気の毒な人は、30歳後半くらいの男性店員でした。星占いの運勢が悪かったんやろね。他にもいっぱいお客さんいてはるのに、よりによってえらい客に声をかけてしまいました。
「浄水器をお探しですか?どのようなタイプをお探しでしょう?」
そうなんです。その通りです。聞かれたんで答えました。
「蛇口取り付け型じゃない据え置き型で、P社以外のものってありませんかね?」
前も書きましたけど、家電メーカーのP社と私は相性が悪いんです。テレビに始まり自動食器洗浄機、その次は電子レンジ。製品そのものとそのアフターサービスで残念な思いをしてばかりです。それ以来2度と買うまいと思ってたのに、今年1月にうかっと買ってしまったこの会社デジカメ。やっぱり私との相性が悪くて既に8月にカシオに買い替えとります。
「申し訳ございませんが、このタイプの浄水器はここにあるものだけでございまして」
棚にあるのはP社の浄水器が3つだけです。いや正確には「浄水器」ではなく「整水器」って書いてます。アルカリイオン整水器なんですわ。
浄水器と整水器の違い。このあたりの知識も前にブログに書きましたように、ネットでの知識ではありますがそれなりに勉強しとります。簡単に言えば、浄水器は残留塩素などの不純物を取り除くもの、整水器はそこからさらに水を電気分解して水のpH(ペーハー)を調節することができるんです。ですので、アルカリ水とか酸性水とかが作れるんです。
P社のこの製品にはボタンがいくつかあって、それぞれ押すと強アルカリ水、弱アルカリ水、中性水、酸性水を自由に作れるそうな。アルカリ水は胃腸に良く、酸性水は洗顔用で美肌効果がありますって書いてました。でも私があくまでもネット上で勉強した話では、アルカリ水が胃腸にいいっていうのは過剰な胃酸を中和することによるだけのもので、その効果はわずかで市販されている胃薬と同等の効果を期待するにはアルカリ水を10リットル飲まないといけないらしいです。で、その店員さんに聞きました。
「アルカリ水ってのは浄水した水を電気分解してアルカリ性にしてるちゅうもんですよね。なんでわざわざアルカリ性にする必要がありますのん?アルカリ性の方がおいしくなりますのん?」
すると店員さん。
「これでご飯を炊いたりお茶を入れたりするとおいしいってよく言われます。またここに書いてあるように胃腸にもいい効果があります。」
よく言われますって、どんな人がどのくらいの頻度で言うてるんやろね。P社の担当者が商品説明に来て言うてるだけのような気もせんでもないんですが、全く買う気のない商品についてごちゃごちゃ言うのも何ですんで、蛇口取り付け式の質問。
「こっちの蛇口取り付け式はいろんなメーカーのがありますなあ。これ、どう違いますのん?」
そうするとこの店員さん、基本的には浄水能力の差やって言わはります。その浄水能力ってどんだけ違うのんって聞きますと、除去できる物質の種類の数が違うって言わはります。その物質名が書いてあるのを見せて説明しはります。
「クロロホルム、ブロモジクロロメタン、テトラクロロエチレン・・・・」
なるほど。11種類取り除けるもん、13種類のもん、15種類のもんといろいろあります。でもね。日本の水道水でっせ。そんな変な物質はもともと入ってへんはず。実際に京都市水道局のホームページに公開されてる調査結果を見たことあるんですが、ややこしい物質はほとんど入っておりませんわ。ですので、13種類でも15種類でも私にとってはあんまり関係ないんですわ。私の興味はカルキ臭の原因となる残留塩素などをどれくらい除去してくれるかってことですわ。
「なるほど、たくさんの種類の有害物質に対応してるっちゅうのはありがたいんですが、例えば残留塩素だけ見た場合に、その除去能力ってどこに表示してありますのん?」
そうすると店員さん。ええ加減なこと言いよりました。
「それはもう、最近の製品は99%とか99.9%除去するんです。」
ちゃんとネットで勉強してから来てますからね。
「おやっ、99%っていう製品があるんですかあ。私がネットで調べた製品はだいたい除去率80%のものしか見つからなかったんですけど。99ってどの製品ですのん?」
店員さん、あわてて製品のパンフをあちこち開きだしました。除去率ってあんまり製品情報に書かないもんなんですかね。消費者にとって一番重要な情報やと思うんですけど。店員さんはいろんなパンフを取り出して見てはりますけど、99%って書いてあるパンフはなかなか見つからないようです。
「まあ、もともと蛇口取り付け式の浄水器も買う気はなかったんでいいですよ。浄水と水道水を使い分けたいんで、浄水器を蛇口に取り付けたんでは切り替えが面倒なんがイヤなんですわあ」
こう言いますと店員さん「すいません。除去率はまた今度調べときます。」って言わはります。ほんまかいな。来週もう1回行って「その後、調べてくらましたかあ?」って聞きに行きまっせ。
据え置き型はP社の整水器しかないわ蛇口取り付け式はイヤやとなると、このお店では買えないなあ、やっぱりどっか専門店で買うかネットでさらに研究するしかないなあと思ってお店を出ようとしますと、蛇口取り付け式の横にポット式というのを見つけました。
このタイプのものもネットで事前に勉強してたんですが、所詮フィルターを通すだけのええ加減なもんやろって勝手に思ってて検討してなかったんです。でもこの表示を見て心が動きました。
15種類の物質が除去できて除去率も全部80%なんです。多くの蛇口取り付け式の除去率と一緒ですやん。
「このポット型の浄水器って、他のものと比べてどう違いますのん?除去率80%やったら高い浄水器と一緒と違いますのん?」
店員さん、今度は即答せずに慎重に答えようとします。箱はパンフをいろいろ見て、よくよく考えた末に答えました。
「同じです。ただフィルターの交換のタイミングがちょっと短いです。こちらのものですと1年に1回くらいでいいいのですが、こちらは3か月や4か月で交換しないといけませんね。」
なるほど。除去率が一緒やったらこれでもええんと違いますのん。フィルターの交換でどれくらいのコストがかかるんかわからないんですが、総ろ過流量から単純にざっくりと計算しますと1リットルあたり10円くらいになりそう。
これは7種類くらいの製品が置いてありまして、店員さんに違いを説明してもらいますと、どうやらろ過する速度の差であったり、使ってる膜の性能であったり、あるいはおいしくするためのミネラルを追加する層が膜に組み込まれてたりなどの違いがあるそうです。
ほんまにこんな単純なものでおいしい水ができるんかいなあと、にわかには信じられなかったんですが、このポットの値段が3000円前後と非常に安いもんだったんで、ここは騙されたと思うていっぺん使ってみようと、ここで買うことを決心したんです。
ミネラルを追加するタイプのものは興味あったんですが、店員さんに「出来上がった水の硬度はどれくらいになりますのん?」って聞きましたところ、またパンフを一生懸命調べてくれはりまして、だいたい70~80くらいやって言うてくれました。これが100を超えるんならこのミネラル追加タイプがええな思うたんですが、水道水の硬度が50~60と大きく違わないことと、メーカーがP社やということでやめました。
今まで店員さんにごちゃごちゃと言うてたんですが、突然「これ!」って指さしてやりました。三菱レイヨンクリンスイ株式会社の「クリンスイCP207」はメーカー希望小売価格4200円が2790円って書いてました。
「はい?」
そないに驚かなくてもええやんと思いますけどね。
「いや、これをもろていきますわ。安うしといてなあ。」
こう言いますと、店員さんは商品カードを取り出しましてボールペンで「¥2600」って上から書いて「これをもってレジの方へお願いします」って言わはります。
2790円のもんを本気で値切る気はなかったんですが、ひとこと言うてみるもんですね。「安うしといてやあ」って言うだけで7%190円安くなりました。4月からの消費税の3%アップでみなさん騒いでますが、本体価格のアップダウンの方が大きいと思いますよ。7%くらい何とでもなるみたいです。
衝動買いしたクリンスイ。早速使ってみました。
意外と早くろ過できるんですね。上から水道水を入れますと5分ちょっとでろ過されます。出来立てを飲みましたが、水道水の臭みは完全の除去されてますわ。ただね。味があんまりないんですわ。水道水の不純物の雑味ってやっぱり水の味なんやろね。非常にきれいになってるのは実感できるんですが、おいしい水かどうかと言われればちょっと疑問です。
ところがです。まだSECOMの浄水器は壊れてませんので、SECOM水とクリンスイ水を飲み比べしようと翌日の朝に再度2つの水を飲んでみたんです。クリンスイはSECOM水よりも間違いなくおいしいですわ。買った当日においしく感じられなかったのは冷えてなかったからなんやと思います。騙されたと思うて買ったポットですが、これなら高級な浄水器を改めて買う必要はないんとちがうかなあ。とりあえず3か月使ってみて、このままポット型を使い続けるかどうか考えてますわ。でも2600円でこの品質の水が飲めるなら絶対おすすめですよ。