鈍川温泉のお湯は非常によかったです。太ももの筋肉の疲れを癒してくれます。あまり有名ではない温泉地。まさに秘湯やと思います。大変お世話になりましたって言うて出発しようとすると、この旅館の真っ黒な犬がお見送りです。
この犬、旅館で食事してるときもちょろちょろと出入りしよりまして、人懐っこくてかわいらしいのですが、カメラを向けるとどういうわけか逃げていきよりまして、なかなか写真撮影できませんでしたが、最後にこうやって写真に撮ることができました。真っ黒なんで名前は「クロ」やろって勝手に思い込んで、「くぅーろ。こっちゃおいで。」って声をかけてましたが、正しい名前は「ナポレオン」だそうです。旅館のご主人は「なぁーぽっ」って声かけてはりました。
さて、この日の目的地は松山。もともと鈍川温泉ではなくて今治市内に宿泊するつもりでしたので、海沿いを軽めに走って60kmのつもりでしたが、せっかく鈍川温泉まで山を登ったんですから、このままさらに山をのぼって奥道後をつっきって松山にショートカットしようということに。鈍川温泉から県道を5kmほど下って、国道317号線で山越えをしますと松山までは残り33kmで行けます。峠越えはしんどいですが、距離は大幅に得をします。
平均7%程度の上り坂が10kmほど続きます。
途中のダム。この日は風もなく暑くも寒くもなく、非常にきもちがいい。
意外とあっさり峠に到着。ここから20kmちょっとは下りですので、自転車につかまっているだけで松山に到着してしまいます。ちょうどお昼の12時ごろに松山市内に着きました。
夕方にメンバー全員が集合して飲み会ですので、それまでに道後温泉に入ってぼらぼらすることに。まずは宿泊するホテルに寄って着替えをさせてもらって、荷物と自転車を預かってもらいます。
あっ、ホテルのスタッフの方にブログで宣伝するって約束したので、少しだけホテルの宣伝を。このホテルはあらゆる面で非常に素晴らしかったので、松山で安くて良いホテルをお探しなら是非ここを。ちなみにこの日の料金はシングル1泊で4000円でした。
ビジネスホテル サンガーデン松山
平和通り3丁目、路面電車の駅でいうと清水町の近くになります。これだけのものが全部無料です。
洗濯機の利用が無料ってのは我々にとって非常にありがたいです。自転車のレンタルも無料ですよ。ロビーにあるコーヒー&紅茶も無料。
器は紙コップじゃなくて立派なコーヒーカップが棚の中に入れてあって、自由にお部屋へ持ち込めます。浄水器もありまして、おいしい水も飲めますし、それで作った氷も無料。
銭湯や道後温泉に行かれる方にはタオルセットの貸し出しも無料です。ちなみに道後温泉でタオルを借りるとレンタル料30円かかります。
あと写真では表現できませんが、このホテルの最大の素晴らしさはスタッフのみなさんのおもてなしです。何か困ったことあったらみなさん笑顔で親切に対応してくださいました。
さてホテルは15時までチェックインできないんで、ロビー奥で汗まみれのシャツをささっと着替えをさせてもらってフロントに荷物を預けますと13時前。路面電車で道後温泉に行きます。清水町駅から乗ります。こんな感じ。
道後温泉では途中の駅で電車を乗り換えないといけません。料金システムがようわからんのですが、1回160円は乗り換えたらまた160円いるんやろか。そんなことを話してたら地元のおばちゃんが「乗り換えのときは乗り換え券がもらえます」って教えてくれました。ってことは往復で320円。でも夜にまたこの電車でみんなで飲みにいくなあと考えた場合に、こっちの方がお得かもって思ってこれを買いました。
400円で電車を1日乗り放題です。利用する日付を削りとって使うんですが、2つ以上の日付を削ると無効になるって書いてあるんで、間違いないか緊張しながら削ります。
電車の中には俳句ホストがあります。気のきいた一句を読もうかと思いましたが、なかなか簡単には思いつきません。
そうこうしているうちに道後温泉に到着。
これを「本館」っていうんだそうですね。別館ってあるんかどうか知りませんが、ほかにも公衆浴場がいくつかありました。この本館の前では我々みたいな観光客がいっぱい写真を撮ってます。で、撮り終わった観光客に温泉の女性スタッフがツカツカと近づいてきて、温泉の料金システムについて説明してくれます。我々も例外ではありません。
「こんにちわ。こちらの温泉は初めてですかあ。」
いや、初めてではないんです。たしか20年くらい前にも来たことがあります。でも覚えてないんで説明をしてもらいました。スタッフはチラシを使って非常に丁寧にわかりやすく説明してくれました。
まず神の湯(かみのゆ)と霊の湯(たまのゆ)がありまして、お湯は全く同じなんですが霊の湯の方が少し小さくてプライベート感があるそうな。神の湯は上と下があって下は400円、上は800円。上にすると浴衣がレンタルできて2階の大広間の休憩室が使えて抹茶のサービスがあるそうな。ちなみに霊の湯にも1200円コースと1500円コースがあって、休憩室が個室になってたりタオルやシャンプーや石鹸もついてるみたいな感じでしたわ。
風呂上りにビールが出るんやったら高いコースにしてもええんですが、抹茶と団子ではなあってことで、結局400円の一番安いコースに。大きいお風呂に大勢で入って休憩もできないっちゅうことでしょうが、汗を流したあとはちゃっちゃと出て、どっか店に入ってビールを飲んで休憩したらええわと考えたんです。チケットを買って中に入りますと神の湯の下の脱衣所までスタッフが案内してくれます。
ホテルの人の話では、GW期間中は大混雑して入場制限がかかることがちょいちょいあるとのことでしたが、すんなり入れました。それどころか立派な大きなお風呂は我々で貸し切り状態。ゆったりのんびりくつろがせていただきました。400円コースで結果オーライです。
お風呂を出ますと人がたくさん集まってます。何やろって見ると、この道後温泉本館から水蒸気が出てます。
ようわからんかったんですが、後で聞いたら何かのアートやってね。一応写真に撮りましたが、よう説明できません。
振り返りますとこんな景色。
ええところにありますわ。抜群の立地条件ですな。迷わず入ります。4種類の地ビールがありましたが、まずいただいたのは「マドンナ」。アルトタイプのビールです。
おつまみはじゃこ天です。これ適度な塩加減とうまみがあって非常に素晴らしいアテやと思います。
あえて醤油をつけずに生姜をちょいとのせて食べるのが一番ええと思います。ビールを2杯飲みまして、ええこんころもちになったところでまだ14時すぎ。ホテルのチェックインまであと1時間あるんで、街をぼらぼら。こんなお店も。
今治がタオルの名産地やというのは知ってますが、1g1円はかり売りってどやねん。これが安いのか高いのイメージできません。
観光地ならではの定番グッズが多く売ってるなか、圧倒的な存在感を示してるのが「一六タルト」というお菓子です。
以前に友達からお土産としてもらったことがあるんで、松山名物のゆずの入ったロールケーキやということは知ってますけど、どうしても気になるのは名前。「一六」って何なんやろ。ほろ酔い気分ってこともあってズバリお店に入って聞いてみました。「いらっしゃいませー」っていう店員さんに対してこう質問です。
「つかぬことをお伺いしますが、この一六タルトの名前の由来はどうなってますやろ。」
すると店員さんはこう言います。
「一六本舗が作っているタルトですので一六タルトです。一六本舗は明治16年に創業したから一六、あとお菓子の日がたしか6月の1日か16日で、それも関係してます。」
なるほど。創業した年が名前になってるってほんまかいな。お菓子の日の説明もちょっと自信なさげやったんで、念のために別のお店でも聞いてみました。
「すいません。つかぬことをお伺いしますが、この一六タルトの名前の由来って何ですかね。」
こっちのお店は一六タルトのスタッフではなくて、お土産物を総合的に扱うベテランの店員さん。この人は自信たっぷりに説得力ある説明をしてくれました。
「明治16年創業というところから来ております。一六タルトの特徴はゆずの風味が強いことです。もしゆずの強い風味があまり好きでないなら、六時屋さんのタルトの方をオススメします。六時屋さんの方は創業昭和8年で、一六さんに比べてゆず風味がちょっと控えめになっておりまして、・・・・・・」
商品説と違いについてわかりやすく説明してくれました。
その時は気にならんかったんですが、しばらく歩いてますと六時屋さんの本店らしき建物が目に入りました。
松山のタルトは一六本舗さんと六時屋さんが2大メーカーのようですから、六時屋さんについてもなんで「六時」なんかについて聞いておかないといけません。やっぱり創業が六時なんやろか。店の前で掃除している社員さんに声をかけました。
「すいません。つかぬことをお聞きしますが、この六時屋の名前の由来はどういったものですか?」
このスタッフも丁寧に答えてくれはりました。
「創業以来の経営理念となっておりまして、6時をさすこちらの時計の針のようにまっすぐに正直は商売をしようというところから来ております。」
立派な理念が社名になってたんですね。勉強になりました。さらに20分ほど温泉地をぼらぼらして、路面電車でホテルにもどりましてちょいと休憩。TCCメンバー全員そろっての宴会です。