参議院選挙が終わりまして、昨日の夜から今朝にかけてのTVは選挙報道で一色です。選挙のたびにいつも不思議に思うんですが、あれって投票を締め切ってからゆっくりと開票したらあかんのですかね。即日開票しないと何らかの不正が起こるんでしょうか。あるいは選挙結果が株の売買に与える影響を考慮して、翌日の株式市場がオープンする前に結果を発表するんでしょうか。いろんなメディアが一刻を争って当選速報を出してはりますが、そこまで急いで教えてくれなくてもええのにって私なんかは思います。それよりも開票が全て終わった段階で、AKBの総選挙みたいに全国の候補者とその関係者全員を東京ドームとかに集めて、順番に選挙結果を発表して、当選した人全員に1人1分間くらいの時間で、これから6年間の決意を述べてもらったらええのにって個人的には思ってます。なにはともあれ、今回当選した議員さんには6年間にわたってたくさんの税金が使われるわけですから、少しでも国がよくなるように命がけで仕事をしてもらいたいもんです。
さて、今回の選挙結果の中身についてはいろいろと思うところはあるんですが、ブログにはあんまり重たい話は書きたくないのであえて書きません。書くのは今回もいたって軽い話です。今回、生まれて初めて「期日前投票」っちゅうもんを経験させてもらいましたんで、その様子についてです。
投票日に仕事とかの都合で投票所に行けない人のために、以前は「不在者投票」という仕組みがありました。ひょっとして今もあるんでしょうか。
やったことがないので私も詳しいことはよう知らんのですが、これは結構面倒な手続きが必要みたいです。申請して事前に投票用紙を取り寄せて、それに投票したい候補者の名前を書いて封筒に入れて封をして係の人に預けるみたいなイメージだったと思います。投票日当日に係の人が封を開けて、中に入ってる投票用紙を有権者の代理で投票箱に入れるっちゅう仕組みやなかったかなあと思います。
一方の「期日前投票」は「不在者投票」とは違って随分と手続きが簡単になったって言われてます。百聞は一見に如かず。お住まいの区役所で期日前投票ができますーって書いてあったんで先週に上京区役所に行ってまいりました。
上京区役所は今出川新町にあったんですが、現在古い建物を取り壊して新しく建築中のため、旧西陣小学校の校舎を使って仮店舗で営業中です。
入ったところに「期日前投票」の案内看板が立ててあります。「不在者投票」と併記してるところをみると、現在も不在者投票制度は残ってるんでしょうかね。
プレハブ棟って書いてるんで行ってみました。こんな感じです。
プレハプとは言うものの、中身はなかなかしっかりしてましたよ。今出川新町に立派な建物を新築しなくても、このプレハブのままでええんとちゃうんかな。
一番奥の会議室に進んでくださいって書いてますので行きました。こんな感じです。
3人くらいの有権者が来てはりまして、それに対して2人のスタッフが説明をしてはります。やっぱり面倒な手続きがあるんかいなと思いながらスタッフの1人に「こんにちは」って声をかけました。
「期日前投票の手続きはここでするんですかね?」
こう聞きますと、スタッフが説明してくれます。
「ハガキはお持ちですかね?お持ちでしたらハガキの裏に宣誓書がありますので、それを記入してください。お持ちでなければこちらの宣誓書をご利用ください。」
他の市町村はどうか知りませんが、京都市ではこんなハガキが選挙管理委員会から事前に送られてきます。
このハガキの裏面がこんなのです。今までにじっくり見たことがなかったんですが、こんな宣誓書がついてたんですね。ハガキがなくても宣誓書の用紙がテーブルの上にたくさん積んであります。この宣誓書に期日前投票する理由と名前と生年月日を書くように言われます。
理由の部分の1の選択肢は「仕事」「学業」「本人または親族の冠婚葬祭」「地域行事の役員」「その他」がありましたので、私の場合は「冠婚葬祭」にチェックします。
「これでいいですかね?」
スタッフに尋ねますと、あっさりOK。奥の会議室に行って投票してくださいとのこと。
中に入りますと、普通の投票所とほぼ同じ風景です。入口にこんな机があって女性が2人座ってはります。机に座ってはるのと違いますよ。座ってはるのはイスです。
ここで宣誓書を渡すように言われます。すると宣誓書と引き換えに選挙区の投票用紙を1枚くれます。記載台でちょいちょいと候補者名を書きまして、投票箱に自分自身の手で投票用紙を入れます。
すると係の人が今度は比例区の投票用紙をくれまして、また記載台でちょいちょいと書きまして投票箱に入れます。それで「おつかれさまでした」って言われてサイナラですわ。
通常の投票の方法と全くと言っていいほど同じですわ。全然面倒な手続きはありません。きわめて簡単です。ブログのネタとしては、もっとごちゃごちゃっとしたことがあった方が面白かったんですが、すんなり過ぎて何にも面白いことがありませんでしたわ。
ということで、最後に少しだけ感想を。
まずね。こんなに簡単に投票ができるんやったら、みなさん期日前投票をどんどん利用すべきですよ。最終日のぎりぎりまでどの候補者や政党に投票するかを決めかねてる人は別として、もともと支持する政党や候補者がいてる人は、投票日を待たずに投票してしまえばいいと思うんです。だって投票日当日に突然予定が入るかも知れないし、雨が降ったり体調が悪いとかで投票に出かける気がしなくなるかも知れませんでしょ。それなら2週間の間でどっかでヒマを見つけて投票を済ませてしまうべきです。そうすれば棄権をしなくてすみます。
もっと言うなら、「期日前投票」なんて言わずに、そもそも「投票日」設定するじゃなくて「投票期間」として公示日から開票日までにしてしまえばいいと思うんです。投票を呼び掛けるキャンペーンも「投票日には必ず投票に行きましょう!」よりも「最終日は混みあいますので投票はお早目に!」みたいな方がいいと思うんですがね。
そしてもう1つ。これって本人確認のシステムはどうなってるんでしょうね。今回は何も本人確認をされませんでしたけど、私じゃない人がこのハガキを持って期日前投票にやってきたらどうなるんでしょう。いや、ハガキなくても机の上に山積みしてある宣誓書の用紙を使えば投票できるわけですから、私の名前と住所と生年月日さえ知ってる人なら、誰だって私になりすまして投票できるんと違うかなあ。それともハガキがなかったらもっと厳しい本人確認がされるんやろか。住所や生年月日という個人情報はダダ漏れですから、悪いことを考える奴にとっては、なりすまし投票なんて極めて簡単やと思いますよ。
そう考えると私は「ネット投票」の方がよほどセキュリティーがしっかりしてると思います。マイナンバー制度で全ての国民にIDを付与するっちゅう話が出てますが、それが導入されたらそのIDとパスワードでネットを通じて投票できるようにすべきやと思います。ネットのセキュリティーを心配する人もいてはりますが、今でもネットで銀行振込をしたり、株式の売買をしたり、競馬の馬券を買ったりできてるわけですから、安全なネット投票システムができないわけがありません。逆に今の紙の投票用紙でもやってても、各地でいっぱいチョンボが発生してますでしょ。投票用紙を間違えて渡したりとか。
ネット投票を導入すれば投票率が格段に上がると思いますし、選挙結果も速く正確に出せるんで絶対いいと思いますけど、それでは困るという政治家の方もきっとたくさんいらっしゃるんでしょうな。もちろん有権者の方にも問題はたくさんあるんですが、選挙のしくみをもうちょっと考え直さないと、日本の政治は変わらないと思いますわ。