25日まではクリスマスや言うて、そこらじゅうをサンタがウロウロしとったんですが、街は今ではすっかり迎春ムードになっとります。先週まではコンビニやスーパーのレジ係りは当たり前のようのサンタ帽をかぶっとりました。まあそれは毎年のことなんでびっくりはせんかったんですが、今年びっくりしたのは25日に福井に行くのに京都から乗ったサンダーバード7号の車内ワゴン販売の女性がサンタの格好しとったことです。
「ワゴン販売までサンタの格好せんといかのですか。大変ですなあ」
こう言いますと、「ええ、クリスマスですから。」とだけ答えはりました。正月にサンダーバード乗ったら獅子舞の格好したワゴン販売がくやってくるんやろか。
2012年の仕事も木曜日で終わりにしまして、28日の金曜日は休暇をとりました。妹のだんなと2人で志賀高原にスキーに行っとります。28日終日、そして今日29日の午前中、広い広い志賀高原でスキーを楽しみました。天候にもホテルのお食事にも恵まれまして、最高の休日を楽しむことができました。うそかほんまかわかりませんが、地元の人に言わせると、この2日間はおそらく今シーズン最高の雪質と天気だとのことです。年に1回スキーをするかしないかの私ですが、今回は確かにスキーがむちゃくちゃ上手くなってる気がしました。たぶん雪質のせいなんでしょうなあ。
今日のブログはそのスキーの話やおまへん。そのスキーの帰りの話です。
2日目の今日はリフトの半日券を購入してたこともあって11時30分ごろには引き上げました。それでも8時30分から3時間も休憩なしに滑りますと脚はパンパンです。さっさと着替えて12時7分発のバスで長野駅へ向かいます。お昼ごはんはスキー場で食べるより長野駅に着いて「特急しなの」の指定席をGetしてから食べる方がええやろうとの判断です。あっ、ちなみに言っときますけど今回お世話になった「志賀の湯ホテル」さんのホスピタリティーは最高でしたよ。ここでお昼ご飯を食べてからバスに乗ってもええかなって思ったくらいですもん。でもJRの指定席が取れるか心配なんもあって、お昼ご飯は長野駅前で食べることになりました。
長野の人には申し訳ないんですが、過去に長野駅前でご飯を食べておいしかったという店がないんですわ。昼も夜も。テレビの旅番組が好きで、「いい旅・夢気分」なんて番組はよく見るんですが、信州に限らずああいう番組のお昼ご飯ってだいたい蕎麦でしょ。番組ではタレントさんは「やっぱり東京で食べるのとは違う、おいしいおいしい。」って言うて感動してはりますよね。私もかつて何回も長野で蕎麦を食べたんですが、まあ味は普通ですわ。その上に結構お値段が高い。東京でそんなに蕎麦をたくさん食べた経験ないですけど、おそらく一緒と違いますか?東京でも同じくらいの金額を出せば同じくらいの蕎麦を食べられるような気がしますけどね。
で、時刻は14時前。「特急しなの」は15時発。駅前をぐるっと見渡したけど心が動くような見た目のお店がありません。で、軽く歩いて目についたのが「サイゼリヤ」。
まあ時間も1時間もないし、あえてチャレンジして変な店に入るリスクを取るよりも、おいしくなくても安くてはずれのないファミレスで軽く食べて済まそうということになりまして、40歳すぎたおっさん2人で「サイゼリヤ」に入ることになったんです。
「サイゼリヤ」ってみなさん日常的に行ってますか?私はずいぶん昔、10年近く前になりますかなあ、仕事中に1回だけランチで利用したことがあります。イタリアン系のファミレスっていうイメージで、とりあえず安いという印象だけあります。今でこそいっぱいありますが、当時ワンコイン500円でちゃんとしたランチを出すファミレスってすごいって思ってましたから。
そんなサイゼリヤ。「こんにちわぁ」って言って店に入りますと、14時前という時刻にもかかわらず広い店内はほぼ満席ですわ。
「お客様、2名さまですか?おタバコの方は吸われますでしょうか?」
若い女性スタッフが聞いてきますので、禁煙席を希望しますと2つしか空いてないテーブルの1つに案内してくれました。テーブルに座りますと
「ご注文がお決まりになりましたら、このボタンを押してお呼びください」
こう言いますので、
「とりあえず生ビールを2つお願いします」
と注文しました。「とりあえず」って言うのは「生ビール」に対して失礼じゃないか言われる方もちょいちょいいらっしゃいますが、「生ビール」はやっぱり「とりあえず」なんです。
すると1分もしないうちに生ビールが2つ運ばれてきました。正直びっくりです。それなりに広いお店が満席の状態ですよ。ビールが来るまでにゆっくりメニューを見て注文考えようと思うてたのに、仕事が速い。
で、じっくりメニューを検討する時間がなかったので、これまた「とりあえず」メニューの「おつまみ小皿」に書いてあるもんを、左側の上から3つ注文しました。全然考えてません。だってむちゃくちゃ安いんですもん。チキンが299円、ソーセージが399円、ほうれん草炒めが199円。
で、今度こそゆっくりメニューを見て食事の注文を考えようということに。これがメニューの表紙です。
こんなドリアが299円です。どんな品質のドリアが来るんか知りませんけど、コンビニでももうちょっと値段しまっせ。他にもサラダ、ピザ、パスタ、ハンバーグ・・・いろいろメニューにありますが、どれもだいたい399円か499円。スキー場の半額以下ですわ。スキー場のスパゲッティーの相場は1000円ですからね。ピザにしようかパスタにしようか2人で考えてるうちに、注文した「おつまみ小皿」が運ばれてきました。注文してから5分もたってないんと違いますか。むちゃくちゃ速い。少し食べてしまってからの写真ですがこんな感じ。
お安いおつまみ小皿。安いんでマズいか量が少ないかだと思ってたんですが、それなりのボリュームです。味はコンビニ以上の満足度。特にチキンはこの品質で5本で299円は信じられないところです。「マズくない」じゃなくて「おいしい」と思いました。
しばらくして生ビールのジョッキが空いてしまいました。次の飲み物をどうするか?もうビールという気分ではありません。一応イタンアンを標榜してるお店なんで普通はワインになりますわなあ。ワインのメニューがこれです。
みなさんならどれを注文します?グラスワインが100円やて。これはさすがにいかんやろ。うちでも1800円の3リットル入りの紙パックのワインを買って飲んでるけど、これ3リットル換算で2120円。ほぼ原価ですやん。さすがにこれは飲めないようなひどいワインが出てくるんやないかと想像します。
じゃあ、別の選択肢として下にボトルワインが書いてあるでしょ。これが1本1000円ちょっと。サイゼリヤは例外やと思いますが、普通はワインの値段はお店で売ってる値段の3倍の値段をつけるのが常識です。つまりはお店で1000円のワインの味を知りたければスーパーで333円で売ってるワインの味をイメージすればいいんですわ。さすがの私もスーパーで500円を切る値段のワインでおいしいものは見たことがありません。この1000円のボトルワインを注文するのはリスクが大きすぎます。
ならば高いほうの1980円のワインはどうか。これキャンティーですねん。好みの問題ですが、イタリアンであってもキャンティーはあんまり好きじゃないんです。まだモンテプルチアーノの方がいいかな。
ということで、2人で相談した結果、これまた「とりあえず」100円のモンテプルチアーノのグラスワインを飲んでみよう、もしマズかったらキャンティーのボトルを注文しようということになったんです。マズかったとしても100円ならあきらめがつきますわ。
これが100円ワイン。
ひとくち飲みました。驚いたことに悪くないんですわ。紙パックワインと同等かそれ以上の満足度です。これお店で100円で出すってすごいと思いますよ。もちろんこのグラスが空きますと500ml入りのデカンタを追加注文しました。500mlのデカンタで370円は信じられないお値段です。
さて、ちょっと落ち着いたところで周囲を見渡しますとこれまたびっくりです。
他のお客さんの食べてはるところをあんまりマジマジと写真撮影するのは失礼なんで、さらりとシャッターを押したんですが、この写真で言いたいことは3つ。
1つは混んでるってこと。14時すぎても空席がほとんどない様子がわかりますかね。
2つ目は客層。90%以上が若い女性です。写真にはたまたま若い男の子の姿も見えますが、店内は若い女性だけのグループがほどんどです。我々みたいなおっさん2人組はもちろんいませんし、大阪でよく見るおばちゃんの集団もありません。若い女性、特に女子高生らしきグループばかりなんです。
大阪のおばちゃんもやかましいんですが、女子高生のやかましさはまたすごいですね。おばちゃんと違ってキーが高いんですわ。文字に書きにくいんですが「キャッキャ、キャッキャ」って言う感じ。声の大きさは大阪のおばちゃんよりもはるかに大きくてやかましいんですが、これが意外と気にならないんですわ。たぶん波長が違うんでしょうね。我々の会話する音域と違うところでやかましいので、大きい声であるにもかかわらず彼女たちが何をしゃべってるのかは私の耳には入ってこないんです。真剣に聞こうとしたら別ですけどね。大阪のおばちゃんのやかましいのは、聞きたくなくても耳に入ってくるから困るんです。
さりげなく撮った写真で言いたかったこと3つ目。テーブルの上があまり写ってないんで写真からはわからないかと思いますが、ほどんどのテーブルに料理のお皿がないんですよ。あるのはドリンクバーのグラスだけ。もちろんお昼ご飯に299円なり399円のパスタやドリアは食べてるんでしょうけど、彼女たちのメインの注文は180円の「ドリンクバー」なんです。たまたまドリンクバーの場所に席が近かったんで見てたんですが、我々がいてる時間帯だけでも同じ人が3回くらい飲み物のおかわりに来てはります。
想像ですが、ドリンクバーだけで2時間も3時間もしゃべってるんでしょうなあ。こんなので店の経営が成り立つのかどうか。心配になりましたんで、お皿を下げにきたサイゼリヤの女性スタッフに聞きました。
「みんなドリンクバーばっかりみたいですけど、こんなんでいいのですか?」
するとスタッフは笑顔で
「大丈夫ですよ。ドリンクバーだけのお客さんもたくさんいらっしゃいます。」
えらいもんですね。ドリンクバー180円だけで2時間滞在するのは公認みたいです。
でもね、サイゼリヤの素晴らしいところは安いだけやないですよ。普通のファミリーレストランのスタッフって、接客についてはまあそこそこやにですか。いわゆるマニュアルに書いてあるような機械的な対応をされますでしょ。他の店舗はどうか知りませんが、ここのサイゼリヤの接客はパーフェクトなんです。こっちがおそらくマニュアルにないようなことを言うても上手に対応しはります。
接客だけやないです。さっきも書きましたが料理や飲み物の提供時間が速い。びっくりするほど速いですわ。そういうシステムができあがってるんでしょうな。ぎょうざの王将はかなりクオリティーが高いと思ってましたが、サイゼリヤはそれを超えるクオリティーがあると思いますよ。
でもこれだけのクオリティーでこのお値段。経営は大丈夫なんでしょうか。客単価、すなわちお客さん1人が使う平均金額って1000円もないのと違いますか。で、気になったんで支払いのときにレジの女性に聞いてやりました。
「いやー、安くておいしかったですわ。こんだけ安かったら客単価少ないのと違いますのん?この店の客単価っていくらくらいですか?」
ストレートな質問に女性も驚いてはりましたが、笑顔で答えてくれました。
「だいたい平均で500円くらいですね。」
1000円もないと思うてましたが、まさか500円とは。で、さらに聞いてやりました。
「で、でしょー。これで経営やっていけてるってすごいね。ちゃんとお給料もらってますか?」
やっぱり笑顔で答えてくれました。ちゃんと給料をもらってるそうです。満足してるって言うてはりました。
たまたまこのお店だけかも知れませんが、サイゼリヤ。今後もなんかの時には使ってもいいかなって思ってしまいました。私のファミレス評価。今のところダントツのナンバーワンです。