明日で1月も終わりで、2014年も残すところあと11か月になりました。昔から「1月は行ってしまう、2月は逃げてしまう、3月は去ってしまう」ってよく言いますが、確かに時間が過ぎるのが速い気がします。メカニズムはおそらく年末と一緒で、年度末に向けて間に合わせないといけないことがいろいろとあるからなんでしょうね。特に今年は4月から消費税が8%になりますんで、そのへんの準備も残り2か月でやっておかんといけないんでしょう。
さて世間がぱたぱたしているこの時期ですが、私はと言いますと仕事の予定はそれほどありません。昨年10月以降ずっとですが、今年に入っても非常にのんびりした生活をさせてもらってます。超ハードな仕事のスケジュールで「うつ」になるんと違うやろかって思うてた昨年の3月や5月や6月の日々を非常に懐かしく思うてます。泊りがけの出張も1月は北陸に1回だけでした。2月も今のところ予定がありません。
出張がないということは、基本的には毎朝河原町駅6時55分発の快速急行で江坂のオフィスまで通勤することになります。1年半で通勤にも慣れてきましたし、首都圏の通勤事情に比べたら格段に恵まれてますから文句を言うたらアカンのですが、やっぱり片道の通勤に100分もかけるというのはしんどいし、また何か時間を無駄にしてもったいない気がしますわ。
その通勤電車の中で今週目立ったのは試験勉強をする中学生や高校生です。3学期の期末テストにしては少々時期が早いと思うんですが、どうなんでしょうか?どこの中学か高校かわかりませんけど、みなさん教科書とノートのコピーにいっぱい線を引いたものを見つめてはります。
線を引いたところに赤い下敷きみたいなシートをかぶせると、その部分が黒くなって文字が見えなくなるの。あれって我々が中学生や高校生のころからありましたけど、いまだにみなさんコレを使って試験勉強するんですね。これだけスマホやタブレット端末が普及してるIT時代に、かれこれ30年前の道具を使うんですからちょっと驚きです。
先日の阪急電車で、隣に座ってた男の子のノートを横目でチラチラと見てたんですが、言うちゃ悪いですけどたいしたこと勉強してませんな。日本史の勉強してはりましたけど、大政奉還が何年やったとか、天保の改革が何年やったとか、年号をノートに書いたもんを下敷き使って暗記してはりました。年号なんか覚えても社会でてから何にも役に立たないですよ。こんなもんだいたいいつごろの話かということと、物事が起こった順番だけ理解してれば十分なんですよ。「大化の改新」がええ例です。我々の時代は645年って習いましたが、今は646年って教えられるんですってね。鎌倉幕府ができたのも今はたしか1192年やなかったはず。
試験のための勉強は大人になった今でもちょいちょいあります。会社でもいろんな認定試験とか昇格試験とかありますし、遊びの試験でも「京都検定」みたいなもんもあります。試験のための勉強の仕方は人それぞれやと思います。こうやって電車の中の生徒を見てても思いますし、学生時代バイトで塾講師をやってた時にも思うたんですが、やっぱりあきらかに勉強の「仕方」の下手な人っていてるんです。電車の中で試験勉強してる生徒さんのテキストなりノートを見れば、その生徒ができる子かできない子かだいたい想像がつきますわ。
できない子の特徴の1つは、とりあえず試験出題範囲をまんべんなく薄く広く勉強しようとする姿勢です。試験で「合格点を取る」ことが目的であるにもかかわらず、おそらく「試験勉強をする」ということが目的になってしまってるんです。薄く広く勉強して「出題範囲は全部さらいましたよ」という感覚を持って安心したいんでしょうな。気持ちはわかりますがこれは経験的にダメなパターンです。合格したいのなら合格に必要な点数を計算して、その分だけを完ぺきになるまで徹底的に勉強するべきやと思います。
今日のブログでは、私の経験から私なりに考える「試験のため勉強の仕方」を書いてみたいと思います。あくまでも「試験のための」勉強です。人生を豊かにするための勉強法ではありません。専門家でないのにえらそうなことを書きますが、これから受験を控えておられる方の参考になればと思います。でも責任は持ちませんよ。
(1) まずゴールを明確にすべし
勉強する前にまず試験で何点を取りたいかを明確にすることです。100点満点で70点取れれば全員合格という試験なら当然70点が目標になります。入学試験みたいに上位30人が合格というタイプのものなら、過去の合格点などの情報をもとに最低合格点を設定しましょう。過去5年くらいの平均最低合格点が70点だとしたら、75点くらいを目標に設定したら十分です。心配な人は80点とか85点に設定してもいいですが、その分ハードルは上がります。私なら72点に設定しますね。試験に合格するのが目的なら、何もトップで合格する必要はないんです。
こうやって明確な目標を設定してしまうことで、少なくともライバルのことが気にならなくなるんです。全ては自分との戦い。その目標点を取れれば合格、1点でも足りなければ不合格と信じ切って勉強に取り組むことが大切やと思います。
(2) 勉強の3つのフェーズ「理解」「暗記」「訓練」を分けるべし
この3つをごっちゃにして勉強しているのが、成績イマイチな生徒さんの特徴の1つやと思います。
当たり前ですが、この中で一番大切なものは「理解」です。教科書や授業の内容を理解すること。一部の例外的な科目を除いて「理解」なしには絶対に解けないと言っても過言ではありません。自分が「理解」できたかどうかは、その同じ内容をテキストや辞書を見ながらでもいいので、自分自身の言葉で小学生に説明できるかどうかを考えればいいと思います。他人に説明するためには自分がきちんと理解してないと絶対できませんからね。
この理解を深める作業は時間がかかります。時間がない人はここをパスして強引に「暗記」でやりぬこうとするからダメなんやと思います。もし本当に「理解」する時間や能力がないならば、その分野は「暗記」もせずに丸々捨ててしまうべきやと私は思うてます。
「理解」ができたら次は「暗記」。私がオススメする暗記法は「覚える努力」をすることよりも「忘れない努力」をすることです。
例えば100個の英単語を覚えないといけないとしましょうか。ダメな子は1番目の単語から順番に100番目まで目に入れていくんです。目に入れてもダメなんです。脳ミソに入れないと行けません。100番目の単語に取り組んでいる頃には50番目までの単語のうちの半分以上は記憶の中になく、改めて見たときに新鮮に感じると思いますよ。
オススメの暗記法はまず最初の5個だけを完ぺきに覚えること。覚えたら少し時間をおいてセルフテストします。1つのもれなく完ぺきに覚えてたら合格。次は6~10番目の単語に取り組みます。それも完ぺきに脳ミソに入ったと感じたら、また少し時間をおいてセルフテスト。今度は1~10番目の10個全部もれなく覚えられてたら合格。次の5つに取り組みます。つまりはがんばって暗記したことを1つも忘れてないということが確認できなければ、新しいことを覚えようとするなということです。時間がなくて結果的に70番目までしか覚えられなかったとしてもいいんです。確実に70点は取れます。
あと暗記法について言いますとね。いくつかのグループを作って関連づけて覚えると効率的ですよ。人間は30個も40個も物事を覚えるのは難しいんですが、6つや7つくらいまでなら比較的簡単に覚えられるんです。
例えばある40軒のレストランの名前を覚えるとしましょうか。それを例えば、「和食」「フレンチ」「イタリアン」「中華」「カフェ」「その他」みたいに6つくらいのグループにわけて、それぞれ何軒あるか数を覚えるんです。数までを覚えることが重要です。そうすると1つ1つのグループは6個とか7個くらいになります。だらしなくごっちゃに40個覚えるよりは絶対覚えやすいと思います。
最後に「訓練」。トレーニングですわな。「理解」ができて「暗記」もできれば、たいてい問題は確実に正解できます。残る課題はスピードとうっかりミスの予防です。これは繰り返しトレーニングするしかありません。簡単に解ける問題を時間を測って繰り返し大量に練習するんです。いい意味の「慣れ」ができてスピードアップしますし、また自分がミスをしやすいパターンがつかめます。
(3) 得意分野を重点的に勉強すべし
誰でも得意な分野と苦手な分野があると思います。時間に余裕がない状況ですと、どうしても得意な分野は何とかなるって思って放置し、苦手な分野を何とかしたいと取り組みがちですが、これは間違いです。
最初にゴールすなわち目標点を設定すべしと書きました。もし得意分野の問題だけで自分が設定した目標点をクリアできるのなら、苦手分野はあえて勉強しなくていいんです。だって苦手分野の勉強って面白くないしストレスでしょ。絶対に得意な分野の勉強の方がやってても楽しいし身につくと思うんです。まずは得意分野を究極まで仕上げたら何点取れるかを考えるべきです。それで最初に設定した目標点に足りないならば、苦手分野の中から足りない分だけ手をつければいいと思うんです。
(4) 最後の1週間は新しいことに手をつけるべからず
試験の会場に教科書とかノートを持ち込んで、開始のぎりぎりまで見てる人ってよくいてますでしょ。気持ちはわかりますが、あれはやめた方がいいです。精神的によろしくないです。今まできちんと勉強してきて完ぺきになってる部分を確認するだけならいいですが、もしそこで全く新しい出会いや発見をしてしまったらパニックになります。試験会場に持ち込むならスポーツ新聞とか週刊誌の方が絶対にいいと思います。
それと同じ意味で、試験日の少なくとも1週間前からは新しい領域に手をつけてはいけないのです。新しいことを最初から理解して確実なものにするには1週間では間に合いません。直前の1週間はひたすら「訓練」に特化すべきです。得意な分野やちゃんと仕上がって分野でうっかりミスをゼロにするためのトレーニングを徹底してやるのがおすすめ。
それと問題の「仕訳け」の訓練も最後の1週間は大切ですね。問題をぱっと見て、「これが自分の守備範囲にある問題なのか、そうでないのか」を直感で判断する能力。これは理屈ではなくて感覚ですわ。
(5) 視覚からインプットを活用すべし
これは人によって違うかも知れませんが、私は試験勉強に限らず日常生活でも視覚からの映像の情報を活用しています。先ほど「目に入っても脳ミソに入ってないとダメ」って書いたのと矛盾すると思われるかも知れませんが、さっき「暗記」の作業とは別のレベルの話です。
例えば、私の場合。以前に1回行ったことのある飲み屋には、その場に行けばガイドなしでも必ず自力でたどり着ける自信があります。それは過去に行ったときの風景とか景色が映像でインプットされているからやと思います。でもその場に行かずに、その店への行き方を友達に「駅前通りをまっすぐ行って3つ目の信号を右に曲がって・・・」みたいに説明することはできないんです。行き方をきちんと理解して暗記していないからやと思います。この違いですわ。
専門家やないので詳しいメカニズムは私はわかりませんが、視覚から入ってくる情報は膨大であり意識しなくても映像として頭のどこかに残ってます。特にライブ映像は印象的ですよ。学校や塾の授業で、先生が黒板に書いた内容を一生懸命きれいにノートに書き写してる生徒さんがたくさんいらっしゃいますけど、あれはやめた方がいいと思います。ノートは取らずに先生の授業に集中してライブの風景をインプットすべきです。黒板の内容がもしどうしても必要なら、デジカメでピクるか後で友達のをコピーさせてもらったらええと思うんです。
以上、素人がえらそうなことをだくさん書きましたが、これから試験を受けられる方へもう1つ。最も大事なことは体調管理です。これも能力の1つです。けったいなウイルスが流行ってるみたいですからね。どなたも悔いの残らないように万全の態勢で試験日を迎えられるようにしてほしいものです。